第19話 『アリゲーターぱんくまらとビッグマムーシの一騎討ち』 その2


 アリゲーぱんくまらと、ビッグマムーシが頂上に到着したとたんに、どろんと、ドロンは、最後の攻撃を交わして、ついに共に火を吹きながら、絡み合い、はるか地上に転落した。


 『相討ちかあ。』


 ビッグマムーシが言った。



 『もえいずるも かるるも


     おなじ どろんならば


      いずれか秋に


       あわで はつべき』



 すると、アリゲーターぱんくまらが答えた。



 『消えゆくは


     ひとも てさきも


       おなじ夏草。』




 それを聞いた、荒川放水氏が言った。



 『この世をば


    我が世とぞ思う


      ドローンの


        果つることも


          なしと思えば。』



 すなわち、荒川放水氏は、まだまだ、多数のドロンを持ってきていたのだ。

  

 が、赤血小次郎が、まだ、さらなる性能の武器を所有している可能性も排除できない。


 ならば、いつまでも、潰し相討ちになるかもしれず、楽しくもない。


 そこで、荒川放水氏は言った。



 『やはり、いまこそ、君たちが、決闘して、雌雄を決すべし。』



 この模様は、荒川放水氏の娘により、赤血小次郎にも、中継されていた。


 

 『是非もなし


      切り札放つべしぞ


         針は落ちたり。』


     


 『ばーか。えらそに言うな。あんたたち、もう、放ってるだろ。』



 ビッグマムーシが、そう答えた。


 しかし、約束は約束である。



 『われら、


     ひとのようには


       約束をやぶらじ。』




 『ときは いま


      やましんも 悟るか


         梅雨のあらしや


            虚しさや。』



       

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