第37話 「『あの声』で、もっかい言って♡」


 なんか知らないけど、感極まって言っちゃったんだよねぇ、まさかみんなの前で公開プロポーズするなんて、今でも信じられないよ。



 ※※※



 誰も居なくなった客席で、麻里は一人涙で顔をぐしゃぐしゃにしていた。


 「帰ろう、麻里」

 「バネ太ぁ……」


 俺は隣に座り優しくハンカチで顔を拭いた。

 「ズルいよ、バネ太……、トイレ行ったまま帰って来ないし、私の事ずっとほったらかしにして、…………なんかカッコつけてあんな事言うし……」


 「麻里……、舞台に上がったらさ、初めて会った時の事とか、コンビニでサンプル取った事とか、麻里が桜蘭舞さんだった事とか色々思い出しちゃって、……感謝を伝えるつもりがつい…………ダメだったかな?」


 麻里は首を横にブンブンと振って真っ直ぐ俺を見つめて、


 「あんなに大勢の前で言われたら恥ずかしくってよく覚えてないわ!……だから、もっかい言って!」


 俺の両手をギュッと握り、大きく息を吸って、





 「『あの声』で、もっかい言って♡」






 ※※※※※ 〜五年後〜 ※※※※※




 『武将ファイブ』が記録的な興行収入で大ヒットになった事により、俺の名前は一気に全国区になった。


 その年の年間のアニメの主演数も蓮を抜いてトップに立ち、ついに俺は念願の声優アワードの主演声優賞を受賞した。


 それでも蓮は翌年の主演賞を獲得し、それからは毎年どちらかが受賞する様になった。


 沙樹は蓮との間に子供を授かり、マネージャー職を辞めてこれからは専業主婦になると言っていた。


 相変わらず俺の声を好きと言ってるらしく、蓮が俺にヤキモチを焼いてるみたいだ。


 代わりに、俺のマネージャーには翔也が付き、沙樹にしごかれたせいもあってテキパキと仕事をこなしていて、今じゃ業界でも『人が変わったみたい』と評判が良くなった。


 天とともちょは、あの後何故か意気投合して、なんとユニット結成! 二大アイドル声優がコンビを組んだという事で、声優業界のみならず、テレビ番組にも出演するようになり、人気を博している。


 麻里は念願の絵本作家デビュー、休みの合間をぬって、俺達は都内の保育施設をボランティアで読み聞かせをして回っていた。


 そして結婚した俺達の間に、遂に待望の娘が生まれた。



 ※※※



 「パパー、えほんよんでぇー!」



 「蘭華らんかぁ、パパ、やっとお仕事お休み貰えたんだから休ませてあげて!」


 「えーっ、パパに『ママのえほん』よんでほしいのにぃー!」


 「それならママが読んであげるから、ねっ♪」


 「やだーっ、らんか、パパの『あのこえ』しゅきなんだもーん♡」


 「あははっ、蘭華はママに似たんだな! ほらっ、パパのお膝においでっ!」



     「「うんっ♡」」


 

 「ママー、パパはらんかにいったんだよぉー!」

 「ずるーい! ママだって、ママだってぇ〜!」


 二人は俺に駆け寄って来て、


「「パパの『あの声』しゅ、しゅきい💕」」





 終わり。




 ※※



 この度は、私の声優愛と欲望にまみれたおふざけ話に最後までお付き合い頂き、本当にありがとうございました!


 沢山のコメント賑やかし、そして♡がつかなくてもPVを見ると『あっ、読んでくれてるっ♪』って思って毎日幸せな日々を過ごす事が出来ました。


 朗読劇や応援上映など、文字にすると訳が分からず離脱した方も居ると思いますが、自分でも色々考えて書いた事が今後の成長に繋がればいいと思っております。


 『カクヨム』を楽しむには『カク』事をやめる訳にはいかないと考えている私は、これからも皆様の作品を読み、賑やかし、そして勉強させて頂き、私の作品で皆様に楽しんで貰える様にこれからも『カク』を続けていくつもりなので『あ〜、また桜蘭舞バカな事を(苦笑)』って思って、優しい目で見守って頂けると嬉しいです。


 感想コメント、お★さま、レビューを書いてくれるともっともっと皆様に広がると思いますので、最後だからねっ、宜しくお願いします!


 そして今週中に新作を公開予定です!

 改めて私、桜蘭舞をフォローして待っていてくれると嬉しいな♡




 ♪読んで頂きありがとうございました♪



 あー楽しかった♡

 桜蘭舞

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