いかすみリング <短歌>

ゴオルド

Tシャツの柄を褒め合うホトトギス 駅のホームで輪になり弾む


Tシャツの柄を褒め合うホトトギス 駅のホームで輪になり弾む



 駅のホームで輪になって笑っている若い子を見かけると、あのころの私たちを思い出します。懐かしい気持ちと、もはや野鳥を見るような、少し距離のある気持ちになります。


 短歌では電車ですけれど、若い頃はバスに乗ることが多かったです。高校生のころ、友人たちとバスに乗っていろいろなところへ出かけたものです。バスを待つ間、女同士というのはどうしてああも弾むのでしょう。会話も、身体も、生き生きと。


 高校ではチェス部に所属していたのですが、部員も先生もチェスのルールがわからず、本で勉強するほどの情熱もなく、やることがないので美術館に行ったり、映画を見たり、リバーシをやったり、手芸や木工に励んだりしていました。覇気のない地味な部活動なのですが、何をしていたって、女子たちはずっと弾んでいたような気がします。


チェス部だよ 誰もルールを知らないよ やることないし木材削ろ

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