掛乞を 焦がれ待つ身の 苦笑い

 いつまでも、ひとり宿で落ち込むのは良くないです。

 歳末で賑わう、街へ行ってみましょう。

 新しい日記も、買いたいと思っていた所です。


「ソラ? お買い物に出掛けましょうか」

「くる?」



 公園沿いの大通りは、食料品や正月飾りを売る出店が並び、人で溢れていました。

 私の右指に巻き付くソラも、さっきからクルクルと回って、はしゃいでいます。

 くすぐったいです。


「楽しいですね、ソラ?」

「るっ!」


 暦を売っているお店で来年の日記帳と、年賀状を一冊ずつ買いました。


(マスターに年賀状を書こう!)



 届けかた……しらないけど。



 〇 〇 〇



『掛乞を 焦がれ待つ身の 苦笑い』 ビキニ。


※掛乞(かけごい):年末に半年分の代金のつけを、まとめて回収する事。

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