第70話

【前回のあらすじ】

ヨーワーインの社員全員が、逮捕を言い渡されたものの、結局エリザベスが一蹴し、免れた。

しかし、人間の行いに絶望したエリザベスは、消滅していったのである。






高橋たちは、12時間もかけて、ようやく東京の本社へ戻る事ができた。

広範囲に被害が及んだため、渋滞が発生していたのである。


もちろん、その本社も例外では無いのだが。



「……とんでもない事をしてしまいましたね、私たち」


高橋は崩れ落ちた会社を見ながら呟いた。

アルビノの生物兵器にも、日本にも、かなりの被害を出した。



異国にも加害してしまったので、おそらくすぐには立ち直れないだろう。


「そうだな」



社長は言った。



「俺ら、これからどうしようかな」





会社の倉庫にあった

化白鳥一味録ばけはくちょういちみろく』は、全て燃やしてしまった。


高橋はエリザベスたちの絵だけを取って、ため息をつく。


「皆んな帰れ。そして、今日はよく寝ろ。

家は壊れてるかもしれないが……もう朝だし、疲れているだろう」


社長はそう言うと、どこかへ歩き始めた。


高橋も晴輝と別れて、1人歩き続ける。




「(……………)」


彼は、落ちていた紙を見つけた。



「⁉︎」






そして、胸元のポケットに入っていたペンで、何かを書き始める。






「(………これを書いて、エリザベスたちの素晴らしさを、広めよう)」




         ◇END◇

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