【掌編小説】テーマ:ホラージャンル【練習】

沙路 涼

第1話テーマ:ホラー、旅館

「ホラー」

「旅館」


・肝試しにきた涼太

・彩香

・涼太の幼馴染、木戸


「なあ、木戸……俺彩香に告白しようとおもうんだけどさ」俺はその場にいた幼馴染に悩みを打ち明けた。少し寂しそうにも目の前の友人は少し考えた後、「おお、いいじゃん!なら私手伝ってやろうか?」「手伝うって、何かいい方法でもあるのか?」すると目の前の奴は悪だくみでもしそうな顔で切り出してきた。「この街から2駅離れた場所に寂れた観光地があるのは涼太も知ってるよね?」「おう、あの昔景気がいい時に賑わってたっていう高原の観光地だろ?」「うん、そこそこ。そこにさ古い旅館があるんだ。もうスキーとかがある冬か避暑に来る夏にしか営業してないみたいだけどさ、昔そこにサナトリウムがあったらしいんだ。そこに白のワンピースをきた幽霊が出るらしい……」「幽霊!?お前そんなところに行けってことか!?」けらけらと笑いながら木戸は続ける「そうそう、そこで肝試ししたカップルは成功するって聞いたんだよ。実はわたしも……ちょっと、ね?効果はすごいのは実証されてるし、吊り橋効果ってやつで告白も成功するんじゃない?彩香ちゃんに男らしいとこ見せなよ」「へえ、そんなとこがあるんだな……てか木戸、お前も誰かにそこに連れてってもらったんだな……全然男っ気がないお前がなぁ…」「うっさいな……いつも誰かさんと一緒につるんでるからじゃん……」「ああ、悪い悪い……お前に魅力がないとかそういう意味で言ったんじゃないからな。普通にそういうのに興味がないかと思っただけだ」「ふーん……まあいいや、彩香ちゃんをちゃんと誘いなよ?」「ああ、週末遊びに行く約束をしてたからそのついでに行ってくるよ」木戸に言われるまま彩香を誘ったのだが「え、お化けいるの?怖くない?でも涼太が居るから大丈夫か」と承諾を得たのだった。そしてこれがすべての始まりとはまだ知らなかった……。


「彩香!!」「キャー!!」

白のワンピースをきた少女に追いかけられる。リノリウムの床は滑りやすく一緒に逃げていた彩香は滑ってしまい気を失ってしまった。俺は彩香の元へと駆け寄る。しかし彩香を覆うようにかばうことしかできなかった。そして鈍いもので首筋を殴られたような感覚がして意識を刈り取られた。


「……っ!?ここは?」

意識がぼやけて何がなんだかわからない……手足すら動かない。見るとブランケットのような生地の大きな布で全身を包まれていた。

「……ここは○○高原サナトリウム……」

少女のか細い声が聞こえた先を見ると、うすぼやけたような白のワンピースの少女が立っていた。

「彩香は……?」「……もういないの」「くっそ、なんで!」手の先まで真っ白な指がこちらに向けて刺される。

「……次は貴方」

「なっ……どういうことだ!?」次の瞬間部屋の入口から芋虫のようにうごめく何かが入ってくる。

「うわぁあああ!」「私たちは生きたくても生きられなかった……だからあなたの体をいただくの」

「やめてくれぇえええ」芋虫のようにはいつくばってくるのはブランケットに巻かれた人くらいの大きさのものはやがて台を覆い俺の内側へ入ってきた。

「やめ、やめて、」体が痙攣し声も意識もなくなってしまった。




「あの高原にある元サナトリウムの旅館に肝試しにいくと付き合えるらしいよ!めちゃくちゃ良いカップルになれるんだって!ほら、隣のクラスの涼太と彩香見た?なんか最近雰囲気変わったけどめちゃくちゃ良いカップルじゃん!」「えー、わたしも気になる人誘ってみようかな?」「いいんじゃない?でも本当に出るらしいよ。気を付けてね!」「でも好きな人と付き合えて幸せならもう他になんもいらなくない?」「ほんとそれなー」



読んでいただきありがとうございました。1時間前後で小説を作る練習をしています。今回は時間の制約で途中から旅館のテーマから少し外れてしまいました。次回はちゃんとテーマに沿って書きたいです。もし読んでいただいた方で練習のテーマをいただける方がいましたら2つテーマをいただけると嬉しいです。ありがとうございました。

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【掌編小説】テーマ:ホラージャンル【練習】 沙路 涼 @sharo0826

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