幼馴染が恋愛相談を持ち掛けて来るが、その相手が俺だとは鈍感主人公は気付かない
向井数人
プロローグ 恋愛相談
第1話 幼馴染からの呼び出し
「……カリカリカリ」
夏休みが始まって数日が過ぎた夏のある日の午前中、
そして、悠斗が数学の課題を始めてかれこれ数十分が過ぎた頃。
「ピロリン」
ベッドの上に置いていた悠斗のスマホが突然鳴ったので、悠斗はシャーペンを握っていた右手を止めると。
悠斗は黙って椅子から立ち上がるとベッドの方へと歩いて行き、スマホを手に取り画面を確認した。すると、
(悠斗くん、今家に居る?)
悠斗のスマホには幼馴染の
(ああ、今は部屋で数学の課題をしていた所だ)
そう素直に現状を伝えると、少し時間を置いてから。
(そっか、ごめんね、勉強の邪魔をして)
少し申し訳なさそうな様子のメッセージが美羽から帰って来たので。
(気にするな、今は丁度休憩を取ろうとしていた所だ)
悠斗は直ぐにそんなメッセージを返して、それに続いて、
(それで、こんな朝早くから連絡してくるなんて俺に何か用か?)
悠斗がそうメッセージを送ると、今度は数分時間を置いてから。
(うん、そうなんだ)
美羽からそんなメッセージが帰って来ると。
「プルルルルル」
「うわっ!?」
その後、直ぐに美羽からの着信が来たので、悠斗は少し驚きつつも。
一呼吸入れてから、スマホの画面に表示されている通話ボタンを押して。
「……もしもし」
そう言って悠斗が電話に出ると。
「……あっ、おはよう、悠斗くん」
電話越しから聞きなれた幼馴染の声が聞こえて、そう挨拶をして来たで。
「ああ、おはよう美羽、珍しいな、お前が俺に電話をしてくるなんて」
挨拶を返しつつ、悠斗がそう質問をすると。
「……うん、そうだね」
美羽はそう返事をしてから数秒間黙った後、
「えっと、悠斗くんは今日、夏休みの宿題をする以外に何か予定はあるの?」
美羽はそんな質問を悠斗にぶつけて来たので。
「えっ? いや、別に何も無いけど」
悠斗が素直にそう答えると。
「そっか、そうなんだ……」
美羽はそう言って、再び数秒間スマホ越しで黙ってしまった。
そして、会話の中で今日の美羽は何か妙によそよそしいなと、悠斗が少し疑問に思っていると。
「……あの、悠斗くん」
「ん? 何だ?」
「……実は悠斗くんに聞いて欲しい大切な話があるんだ、でも、これは電話で伝える様な話じゃないと思うから、悠斗くんさえ良かったら今から私の家に来て私の話を聞いて欲しいんだけど、大丈夫かな?」
少し遠慮がちに美羽は悠斗に対してそう聞いて来たので。
「ああ、大丈夫だ、何の話しかは知らないが俺で良かったら聞いてやるぞ」
悠斗は直ぐにそう言って、携帯を片手に出掛ける準備を始めた。
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