BF96 日々研鑽が最も大事です
すっかり日課になった今日のバトルの確認をするために端末を叩く。真夜中に翌日のバトル申し込みが締め切られ、朝にはマッチングが完了している。今日も昨日と同じ時間で21時から第13リングだった。これまた日課となったメアリを伴って大食堂で朝食です。
コノカさんとはギルド前で待ち合わせて合流する、なんか冒険者っぽいです。ゲートを通過し、ワープポイントで地下10層まで飛ぶ、後にコノカさんも続いてきた。次の階層でどんな魔物が出るのか楽しみだし、コノカさんにアドバイスして強くなってくれればなぁって思う。
「あっそうだ、コノカさん誤射を気にしているよね?」
前回ダンジョンに潜った時は、コノカさんまったく弓を撃ってなかった。
「はい、スミマセン……。」
うつむき加減で申し訳ないなさそうに言った。
「いや、別に責めてるわけじゃなくてね、連係できてないというか、どうしていいかわかんなかったんじゃないかと思っただけなんだ。」
「ちょっとひとつ作戦考えてきたんだ。単純なんだけど、僕がまず突撃して魔物に峰打ちしてすぐ離脱するから、コノカさんはその直後に着弾するように弓を撃ってくれる?」
弓のダメージってどれくらいなのかも知っておきたいとこだ。
「えっ、そんなもしかして地下20階層までキャリーしてくれる的な感じですか?」
キャリーとは上級者が初心者とかを助けて進むことだが、そんな気はない。パーティーなんだから、普通にお互いの戦闘方法や特徴を理解し合おうって思っただけなんだよね。
「いや、普通に相互理解を深めようとしただけですが?」
ハレルと実力差があるので遠慮しているのだろうか。
「………ハレル君やさしいです。弓使いってけっこう不遇職で、戦力扱いされなかったりして、攻撃するポイント作ってくれるとか、ありえないです。」
興奮ぎみに力説するコノカさんですw
「僕はバトルとか魔物の戦闘において大切なのは戦術だと思ってるんだ。バトルタワーでコノカさんは僕を誘導するように弓を撃ってきたから、ちゃんと考えて戦えてるから実力も伸びると思う。」
それもパーティーを組んだ理由のひとつだ。
「えーハレル君って実は聖人だったのですね。思いきってハレル君に声かけれて本当に良かったです。」
微笑んだコノカさんもかわいい。
話していると前方から犬の頭部を持った小柄な人型の魔物であるコボルトが2体現れた。コボルトを目で
予定通り離れたが、コノカさんの
コボルトの身体が空中に消え、魔石が現れる。何度見ても不思議な光景だが慣れてきてはいる。
「やっぱコノカさんは弓うまいね。」
剣でも同じだが、狙った場所を正解に攻撃できる能力は大切だ。
「私の弓なんてダメージが小さいのでダメダメです。」
うつくむくコノカさん。
「それについては心当たりがあるんだ。今は弓が魔物に当たるって事が大事。僕のスピードも分かったよね。僕には当たらないから遠慮なく
自分のスピードを自慢しているわけでも、コノカさんに気を使っているわけでもない。この程度のレベルで立ち止まっている場合じゃない。もっと上を目指しているのだから………ダンジョンは下の階層かw
心当たりというのは、良い矢を作る職人を知っているとかそうゆうのじゃない。勇者が魔王を倒す為に聖剣を手に入れるように、自分の実力が上がればそれに
弓を使ったことのないハレルには、世の中にどんな弓があるか知らない。大きなダメージを与えられる物や毒が
地下11階層を歩き周り、下への階段を見つけた。
それから半日かけて地下15階層まで潜った。深くなるにつれて魔物も少しずつ強くなっていく。気は
コノカさんとはまだ連携とは言いがたいが、お互いの特徴は徐々に理解しつつある。意外と言ってはなんだが、弓の狙いが正確だし、動作も早い。これからが楽しみだ。
明日は地下20階層ボスを倒して、ワープポイントで生体認証して登録したい。
バトルタワーに帰ってきて、日課の素振りをウォーミングアップを兼ねて行う。手応えのある相手と戦ってないので、早く強敵と
夕方、軽く夕食を取って対戦に備える。
バトルタワーで行われるバトルはすべてが賭けの対象になっている。すべてのリングの映像も全世界に配信され、世界の主要都市には王国のバトルタワー支店ができ、
王国はバトルタワーのおかげで一気に強国に駆け昇った。運の要素もあったが
まあ、ハレルには関係のない話しだ。ハレルは強さにしか興味がないし、今は強くなれる方法を求めていて、すべての行動が強くなるためにだ。
21時の第13リングにハレルはあがった。5戦目でそろそろ何らかの歯ごたえが欲しい気もする。
対戦相手はまたもや中肉中背のバスターソード使いの剣士だった。バスターソードは両手、片手持ち両用の剣だが、特徴や用途が多様で汎用性も高くて人気である。
対峙した相手の持つバスターソードはサイズが大きく当たったらダメージが大きそうだ。当たればの話しだけど、ハレルには全くもって脅威にかんじなかった。当たるイメージがない。
相手の
ゴングが鳴った。
相手はゴングと同時に突っ込んできた。
相手は弾かれたことに驚いているが、予想してなかったのか動けないでいる。わずかな時間なのかもしれないが、相手が動くのを待つ義理もない。
横凪ぎ
風呂に入って早々に寝よう。明日のバトル申し込みを忘れずに。
主人公ハレル ランクBF96 戦績5戦5勝0敗
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