バトルタワーが見つかったので行くしか選択肢がありません
カートン怪
BF100 バトルタワー暴誕
それは何の
バトルタワー ⇐
これまでも
このタワーは崖の一部に埋め込まれるようになっていて、形状はピラミッドのように
バトルフィールドも、何万人も収容可能なメインフィールドは始めいくつも用意されている。放送設備も完備されていて、賭けも国民総参加できる規模で整えられている。
バトルタワーは何のために誰が作ったのか。今の人類とはルーツの違う高度な文明を持った古代人が存在していたとか、あるいは宇宙人がやって来て造ったとか、あるいは未来から子孫たちが時空を越えてやってきて造ったとか、色々な説がとなえられている。
はっきりしたことは分からない。だが、国王はこのバトルタワーを運用することを決めた。そして時代は動きだす。
主人公ハレルは十五歳になった日、バトルタワーを目指して生まれ故郷の田舎の村であるヘンピーを飛び出した。国王がバトルタワー宣言した二年前から、この国の成人年齢である十五歳になったら、バトルタワーに行くと決めていた。
村の人間はほぼ全員がハレルの決断に反対した。バトルタワーなんて危ないとか、どうせ成功できないとか、ただ利用されて捨てられるとか、騙されるだけだとか、色々言われた。でも、どうでもいい。
『俺はバトルタワーを征して世界最強になる』
バトルタワーの
バトルタワーはアマゾソ川流域の熱帯雨林の中にある。バトルタワー付近は急速に街が拡大している。バトルタワーをメインとして、他にカジノや劇場、酒場、ホテルに大人のお店などだ。行くのも比較的容易で下流から定期船が出ている。一大歓楽都市として急速に発展を
ハレルは定期船に乗ってバトルタワーにたどり着いた。
「お待ちしてました、ご主人様」
それはメイド服に身を包んだ見覚えのある少女だった。
「メアリ?!」
村を出る時にどうしても一言バトルタワーに行くと告げておきたかった唯一の幼なじみが目の前にいた。ここ一週くらい姿が見えなくて、何も言わずに村を出てきたことが心残りだったが、どうしてここにいる?
「なぜここに?」
いや、本当になぜ???
「みなまで言いませんがぁ準備万端整ってますぅ」
メアリがバトルタワーを示した。
「えっ本当にわからないんだけど。」
船着き場の正面にバトルタワーがそびえたち、周辺に
「バトルタワーまでぇご案内致しますぁーすぅ」
メアリに腕を強く引かれた。案内も何も目の前に見えているんですけど。
バトルタワー正面にはガラス張りの大きめのドアが何ヵ所もある。東京にある高層ビルよりも大きく広くて、その規模に圧倒される。心がふわふわしたまま入口のドアをくぐると大きなホールになっていた。
左側が受付、中央が賭博場、右側が酒場になっていた。
「受付はこちらでございますぅ~」
メアリに引きずられながら、こいつこんな喋り方だっけ?と思っていた。
受付では生体認証ってやつで登録した。バトルタワーはすべてが
「初めての登録ですね。マッチングは行いますか?」
受付さんが聞いてくる。
「もちろんお願いです。」
早く戦いたい。登録したからといって、バトルタワーのバトラーにはならない。バトルに勝ってランキングにランクされてこそバトラーといえる。ランク外の登録者は必ず最弱のBF100のバトラーと戦う。勝てばBF100にランクされる。
下位の者が勝てばランクが入れ替わる。上位の者が勝てばランクはそのままである。またランクは一つ違いでしかバトルできない。急にランクは上がらない。バトルタワーを征するには最低でも100勝しなければならない。
バトルのマッチングはバトルタワーのシステムが行う。希望を出せば適切なマッチングをしてくれる。ランク外のハレルは必ずBF100のランカーとマッチングされるので、勝てば今日からハレルもバトラーだ。
BF100のランカーは100人いるが、誰とマッチングするかはシステムのみが知るである。
「ハレルさん本日18時から第4リングでバトルマッチされました。ちなみに遅刻した場合は不戦敗になるのでご注意下さい。では御武運を。」
受付さんが手を振ってくれた。
ハレルは武者震いした。初めてのバトルにではなく、これから始まるバトルタワーへの挑戦に対してである。
日課の素振りを兼ねて念入りにウォーミングアップを行った。ここまでの長旅で体力と筋力がそれなりに
時間に余裕をもってバトル控え室を出た。外には押し掛けメイドのメアリが待っていた。
「ご案内致します、ご主人様」
う~ん?これはメイドのロールプレイ?!いや、
第4リングの控え室に到着した。軽く身体を動かしながら時間を待つ。あまり緊張するタイプじゃないと思うが、慣れないことにまったくの平常心ではいられない。
時間になり係員が迎えに来た。そして生まれて初めてのリングに上がる。
後で聞いた話だが、第4リングは4番目に観客の収容人数が多い。リングは30くらいあり観客席のないリングもある。
第4リングは4番目の注目度とバトルタワーのシステムが判断したことになる。バトルタワー初戦の新人が一桁のリングに上がるのは異例らしい。でも、強さを求めてバトルタワーにやって来たハレルにとってはどうでも良いことだった。
対戦相手は結構な歳を喰ったおっさんだった。こんな底辺で立ち止まる気もないし、可能性もないだろう。刀の重みを確認して準備万端整った。あとは開始の合図を待つだけだ。
『カーン』
バトル開始を告げるゴングが鳴った。ハレルは相手に向かって刀に手をかけダッシュした。
「俺には妻もこど・ゴフ・・」
観客席からは、ひでぇとかお約束なのにとかハレルを非難するような声が聞こえてきた。
えっダメだった?!
よく戦隊ものとか戦うシーンで無防備でしゃべったりしてるけど、ハレルはもちろん無視して攻撃派だった。だって、おじさんに興味ないじゃん・・・。妻とか子供とか大切なら、弱いくせにバトルタワーなんて来ないで真面目に働きなさい。同情を買おうとしたのか知らないが、強さを求めているハレルには関係なかった。
とにもかくにもハレルは最強への第一歩を踏み出した。
主人公ハレル ランクBF100 戦績1戦1勝0敗
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