第41話 成績発表!
中間テスト翌週の月曜日。
昼休み直前、2階廊下の大掲示板に、大きな模造紙が張り出された。
いつも通り、各教科ごとに、上位20名の名前が得点順に掲示され、
全教科総合得点については、上位100名の名が掲示された。
普通なら、昼休みと同時に、皆争うように食堂へ走るのだが、今日はこの掲示板にほとんどの生徒が群がっている。
当然ながら、どこにで例外はいる。
テスト成績に無関心を装って、廊下を横目に通り過ぎて食堂に向かう者が、一人二人とちらほらしている。
彼らの多くは、良い大学への進学を諦めて別の道を模索する人だろう。
早く独自の道を見つけて頑張って下さいねw
俺は前回までと違って、今回こそ必ずあるであろう、自分の名前を探した。
ざわざわした妙な空気だ。
どうやら何か異変が起きているらしい。
「国語」第1位 仲村幸太、第2位 宮坂沙織
「英語」第1位 宮坂沙織、第2位 仲村幸太
「数学」第1位 仲村幸太、第2位 宮坂沙織
「理科」第1位 仲村幸太、第2位 宮坂沙織
「地理歴史」第1位 宮坂沙織、第2位 仲村幸太
「公民」第1位 宮坂沙織、第2位 仲村幸太
主要6教科以外は、俺は宮坂と共に圏外。
この結果はある程度予想していたので、ああそうかというのが俺の感想だ。
そして、
「総合得点順位表」に、ほとんどの生徒が集まっていた。
第1位
第2位
第3位 宮坂沙織、
第4位 仲村幸太
誰もが予想しえない、番狂わせが起きたと言える。
ちなみに俺と沙織は、フライの勉強会では主要6教科しかやってないので、それ以外の教科は、今までと同程度の得点だったために、総合得点では順位を落としている。
とは言っても、俺は前回圏外、沙織も確か43位とか46位とか言っていたから、二人共、アカマル急上昇である。
とは言っても(2回目かw)、赤丸急上昇の由来は、アメリカの音楽雑誌ビルボードにおいて、急上昇が期待されるヒット曲に赤丸を表示していたことにあるらしいから、俺と沙織は無印急上昇と言うのが正解だろうw
さすがに、今までトップと2位を堅持して来た、藤崎と山崎は強いな。
主要教科以外でも、確実に高得点を稼ぐオールラウンドプレイヤーだ。
俺としてはこの結果は、出来過ぎで居心地が悪い、悪すぎる。
総合得点で常勝組二人を超えなくて、
あの藤崎と山崎からライバル視されたり、あいつらと比べられるのは気が引ける。
まだ群がり続ける生徒達を尻目に、俺は食堂へ行き、さっさと食事を済ませ、教室に戻った。
沙織は、俺と違って、そんな風には思ってないようだ。
食事を済ませた沙織は、教室に戻って来て俺を見つけると、つかつかと俺のところまでやって来た。
「くやしいわね、何で3位なのよ。
まあコウタに勝ったから良いけどさ」
因みに、フライの勉強会で対策した、主要6教科だけに限ると、通算得点では俺の方が沙織に勝ってるが、そんなことは言うつもりもないし、むしろ、急激な成績上昇で、クラスのやつらの目が怖い。
「俺は、
総合で10位以下、各教科別でも3位以下が理想だったんだよな」
「なんでよ。
私たちでワンツーフィニッシュ決めたら最高だったのに」
そんな会話をしていると、他の奴らもぞろぞろと教室に引き上げて来て、遠巻きに俺たちを見てる。
中間テストの好成績のせいで俺たちを見てるのか、
カースト下位の俺と、カースト上位者の沙織が話し込んでいるのを見て、注目しているのか、どちらか分からないが、二人が接近したのは先週からだから、やはり前者が正解か。
やりにくい、実にやりにくい。
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