いつも眠たげなクラスの美少女に「あなたは私のことが大好き♡」と洗脳されそうな私。言っておきますが私の愛は重たいですよ???

百日紅

第1話

 私が教室に入ると、沢山の子たちが私に挨拶をしてくれる。

 私はこの女子校の、このクラスの、一番の人気者である。


―――――訳ではなく。


 現実はこうだ。


「お、おおお、おはよーござい、ます………」


『…………………』


 フルシカト。

 みんなそもそも、私が入室したことに気づいてすらいない。

 私も私だ。

 妄想では元気に挨拶できるのに。

 現実では吃りに吃る。


 中学時代までの陰キャ癖が中々治らないのだ。

 あ、そうそう。

 もうこの言葉で察したと思うけど、何を隠そう。

 私は高校デビューである!!!


 見た目だけやたらオシャレに気を使い。

 髪型も美容院の激カワお姉さんから『めちゃ可愛い』と推されるほどのもの。

 体型も顔のパーツも並びも。元が割と、いやかなり良い方だったらしくて、すぐに見た目だけは化けることが出来た。


 しかし、内面は変わらない。

 本当は友達を作りたいのに。

 この女子校に入学して、未だ誰一人として友達がいない。

 悲しきかな。私の楽しい学校生活はサヨナラバイバイしたみたい。


 私はいつもみたいに教室右斜め後ろ最後尾の席に静かに着いた。

 私が腰を下ろすのと同時に、、、


 ガラガラ


 眠気眼をこすり、小さくあくびをしながら入室する一人の女の子に、クラスメイトたちが一斉に集まって行った。


「おはよー!笠井かさいさん!!」

「笠井ちゃん、おはよ!!!」

「おはよー」「おはよっ!!」「おはー」「𝔾𝕠𝕠𝕕 𝕄𝕠𝕣𝕟𝕚𝕟𝕘 」「おはいよ!!」


 くるりと跳ねた寝癖もチャーミングな、みんなの人気者の美少女。

 彼女の名前は笠井 つぼみさん。


 我が女子校が誇る、一番の美神である。


 そんな彼女は集まるクラスメイトたちを鬱陶しそうに一瞥したあと、無視してスイーっと自席に進む。

 クラスメイトたちは彼女に無視されてるにも関わらず、特段気にした様子は無い。

 いつものことなのだ。


 そしてそんな美少女、笠井さんは


「おはよ、桃花ちゃん」


 私こと染谷そめや 桃花ももかの隣の席で、唯一毎朝、私に挨拶をしてくれる女の子でもあるのだ。


「お、おお、おはよう、笠井しゃん」


 あうぅ〜。

 噛んじゃった。いつになったら、私は彼女の名前を噛まずに呼べるのだろうか。

 早くも気落ちした私の、いつもと変わらない学校生活が今日もまたスタートした。



 時は放課後。

 今日も一日がんばった!お疲れ様、私!!

 労い合えるお友達がいない、ぼっちの私は一人で自分を労うのだ。


「んーっ!!」


 ぐぐぐっと伸びをする。


「はふぅ」


 もう教室には誰にもいない。

 現在の時刻は16時。

 完全下校時刻は18時だ。

 あと2時間もある。


 私は他所の教室から聴こえる吹部の奏でる音をオルゴール代わりに、机に突っ伏して惰眠を貪ることにした。

 これが私のルーティンだ。


 突っ伏して1分も経ってない。

 ガラガラと扉が開かれ、誰かが教室に入ってきたのが分かった。

 足音は小さい。

 目を閉じて耳に感覚が研ぎ澄まされてる私が微かに聞き取れるレベル。


 わざわざ、忍び足で入室??

 怪しい。


 起きた方がいいかな?

 いや、でも、なんか怖いな。

 もしかしたら、私が眠ってると勘違いして静かにしてくれてる、ただ忘れ物を取りに来ただけの子かもしれないし。


 そんな風に思ってると。

 その忍び足は、私のすぐ傍で止まった。


 荒い息遣いが、段々と私の耳元に近づいてくる。

 な、なに?こ、こわい。

 どうしよう、起きる??

 いやでも、ここは寝てるフリをしていた方が安全かも。

 私になんの用だろう???


 色々な疑問が私の頭をよぎる中。

 その言葉は聞こえてきた。


「あなたは私のことが大好き♡あなたは私のことが大好き♡あなたは私のことが大好き♡あなたは私のことが大好き♡あなたは私のことが大好き♡あなたは私のことが大好き♡あなたは私のことが大好き♡――――桃花ちゃんは、笠井 蕾のことが大好きで堪らなくなる♡♡」






























 え?



━━━━━━━━━━━━━━━


本作品は、私の息抜きに書いていく作品です。

好評なら更新ペースを上げようと思いますので、面白かった反応ください。待ってます。


本命はこちら

『秘密のサインは×印』(クズ百合)

↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓

https://kakuyomu.jp/works/16817330659529679456


自信作だから読んでみてくれると嬉しい

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