第8話
年月が経ち、俺たちは24歳になった。今日は、7月19日。俺たちの結婚式だ。
「姫乃ー?出かける準備できたか?」
「大体はできたよー!!」
「あと20分で式場向かう時間だけど大丈夫?」
「多分!(笑)」
俺たちは付き合って、7年という時を経た。長くない?と思う人もいるだろうが、
7年のうち、3年間は結婚に向けての準備をしていた。式場の予約や、ウェディングドレスの注文、互いの両親に挨拶、指輪の購入などなどをしていた。
「あと10分だけど平気かー?」
「もうそろ準備完了!!」
今日という日まで、たくさん準備に時間をかけてきたけど、やはり当日を迎えるとなると、それはそれでバタバタになることが初めてわかった。
一生に一度しか体験できないからこそ、素晴らしいものにしたかったので、最初の一年間は俺だけで準備をしていた。そのあとに、俺はプロポーズをした。
姫乃は泣いて喜んでくれた。そんな姫乃を見て俺はとても嬉しく思った。
あのときは『なんで俺のこと好きなんだ?』とか思ってたけど、いざプロポーズをして泣いて喜んでくれると俺のことを本当に愛してくれていたんだなと実感することができる。
準備を終えたのか、姫乃は俺のところにとことこ歩いてきた。
「今日のメイクも、可愛いよ」
「ふふ、ありがとう!」
俺は車を出し、式場へと向かった。
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式場へ着いて、俺は早速姫乃と離れ離れになってしまった。
お互い準備があるから仕方ない。そして、今日は愛おしい人、世界でいちばん大切な人のウェディングドレス姿が見れるから、離れ離れの時間も惜しくない。
俺が準備を終えて控室を出るとそこにはウェディングドレスを着た姫乃が
立っていた。
「どう…かな?」
…似合いすぎている!!!!!なんだこの可愛い姫乃は?!
ダメだ…直視できない…
「ねぇ?(笑)見てよ(笑)」
「ごめん。可愛すぎて直視できない…(笑)」
「ねぇ、照れるから辞めてよ(笑)」
『裕介様、姫乃様。そろそろ式場に顔を出す時間です。』
「「わかりました。」」
とうとう俺たちは結ばれる。また新たな人生が始まる。
俺たちは、扉の前に立ち、姫乃が俺と腕を組んだ。
どうしよう、すごい照れる。でも今は照れてる場合じゃない。
よし。行こう、扉の向こうへ。
『新郎新婦のご登場です!!』
あらゆるところからおめでとうの声が聞こえてくる。
ある人はもう号泣している。早すぎだろ(笑)
『新郎裕介さん、あなたは姫乃さんを妻とし、新婦姫乃さん、あなたは裕介さんを夫とし、病めるときも健やかなるときも、愛をもって互いに支えあうことを誓いますか?』
「はい、誓います」
「誓います」
『では、誓いのキスを。』
「姫乃、愛してるよ。」
「私も。裕介のこと愛してるよ。」
俺たちは互いにキスを交わした。
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結婚式の最後に俺が頼んだイベント、「ハートのところでツーショット」。
「姫乃ー!こっちこっち!」
『では撮りますね〜はい、チーズ』
パシャ。
この写真は俺たちの一生の宝になったのであった。
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