第2話
翌日の朝。
俺は運悪く体調を崩してしまった。学校に連絡を入れた。今日は一日、家で過ごすことになってしまった。今日の俺の体調は今までのものではなかった。これは…世の中で流行っている「コロナ」か?とりあえず、病院に行かないと。
よかった、今日は母さんが一日休みで。俺は、母さんに病院まで送ってもらった。
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結果はコロナではなく、普通の風邪らしいが今日は安静にしてろと医者に言われた。
「ありがとな、母さん。何から何まで。」
「何言ってんのよ。私の子よ?具合が悪い息子を一人で全部やれとかそんなことを
言う人じゃないわよ私は。」
俺は、母さんがいなければ今頃どうなっていたか。
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俺は家に帰ってから気づいた。俺は今日、姫乃に何があって休んでいるのか言っていない。スマホを見る余裕がないくらい、辛かったからだ。しかも、スマホの電源すらつけていなかった。俺は今改めてスマホの電源をつけた。
すると、メールが何件か来ていた。ほとんど姫乃からだった。
8:35『裕介?大丈夫?学校まだ来てないみたいだけど。いつも一番に待ち合わせ場所にいた裕介が今日はいなかったから先に行っちゃった。ごめんね。』
14:46『今日、現国と英コミのテストだったよ。来れるんだったら、明日追試できるってよ。』
16:38『やっぱり、今日具合悪かったの?既読が一個もついてないってことは、かなり具合悪いのね…。お大事に。』
やっぱり、姫乃は優しい。本当に好きだなぁ。よし。明日までにちゃんと体調治して、姫乃にすぐにでも会いに行こう。
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〜その日の夜〜
「ねえ、裕介。最近、姫乃ちゃんとどんな感じなの?」
「ど、どんな感じってなんだよ?」
「最近、よくでかけるでしょ?小さい頃も姫乃ちゃんと一緒にでかけてたから
また始まったのかな〜って。」
確かに、最近、姫乃に好意を見せるために、たくさん外出している。
たまに、姫乃の家に泊まったりするし。
俺は母さんのとある一言で、心臓が止まりかけた。
「これはお母さんの憶測なんだけど、裕介、姫乃ちゃんのこと、好きでしょう?」
もちろん、そうだ。好きだ。だが、どうしてバレたんだ?母さんにそう聞いても、
ニコニコするばかりだ。ずるい。
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俺は風呂から上がり、歯磨きを済ませ、ベッドにダイブしたとき、スマホの通知音が鳴った。姫乃からだった。
22:30『明日は来れる?もし来れたら、また一緒に行こうね。』
寝る前の好きな人からのメールほど嬉しいものはない。
22:32『絶対治すから。姫乃に、笑顔で元気な裕介を見せてやるから安心してろよな?』
俺はメッセージを残して、眠りについた。
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