第22話 人々を救うには?(ある騎士の場合)
魔王の復活に伴い誕生した魔王軍が、人類へ一方的な
無論、人類側としてはこの状況を黙って見ていた訳ではない。各地では激しい抵抗戦が行われ、当然のように我らの王国も他国と同様に度重なる脅威と戦っていた。
ただ……魔王軍との戦力差は想像以上に大きく、ボク達王国騎士団が必死になって奮闘するも一方的に
だが、そんなある日のこと。王国上層部ではとある作戦の検討が行われることになる。
――――ここは王国地下室……現在、この薄暗い場所には王を筆頭に側近や騎士のボクを含めた数十人の関係者一同が
「これより、剣の奪取作戦会議を開催する!」
側近による開会の言葉から始まる作戦会議。その内容とは、この地下室に存在する魔法陣。通称、ゲートなる
それは剣を手にするためには、剣を
また、天空城へ移動するためのゲートは一度につき一人づつしか使用が許されず、次に使用するためにはゲートを使用した者が剣を持ち帰る、もしくは使用者本人が命を落とすことが条件となっている。
つまり、剣を手にするには一人で守人へ挑まなければいけないという話だ。
よって、これらの要因を検討思案した結果、剣に挑む役目は王国随一の実力者であるボクが
「
まぁ、元々の王は人情家として有名な人物。そしてだからこそ、平和のためとはいえ誰かを
「御言葉ですが王よ。今の我々には
「そ、それはわかっておる騎士殿。じゃが、だからといってこんな
「“バカな真似”ですって? 現実を見てください王よ!!」
「なにっ!!」
ボクはつい感情むき出しでに言い返す。
「いいか良く聞け! 今も言ったが、人々は日々苦しみ続けているんだ!! ならば、そんな彼等を一刻も早く
「…………!!」
激しい口調で正論を
「それから言っておきますが、ボクは必ず剣を持ち帰って人々を救うつもりです! ですから……ですから、ここはボクを信じて行かせてください!!」
さすがにここまで言うと、王も折れるしかなく……
「騎士殿……スマンない」
やむを得ず、
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