第17話 索敵(守人の場合)
自然エリアにて侵入者から突然の銃撃を受けた私は、すぐに岩場の陰へ身を隠す。だが、姿が見えない相手からの攻撃に対して何の対策も打てないでいた!
「くっ、このままジッとしてる訳には……」
とは言っても、ほんのちょっとでも岩陰から顔を覗かせようとするなら……容赦なく撃ち込まれる始末!
「こ、これじゃ右耳まで吹き飛ばされかねないわね!」
パァーーーーーン!!
「遠慮なく銃弾の
そもそも本来なら、この城に存在する侵入者の気配はある程度は察知が出来る……にも関わらず、こうも好き放題やられるというのは?
「これはどうやら、相手は相当に
しかし、如何に卓越されたスキルであろうとも、それをどうにかしない限りは反撃の糸口は掴めず……
パァーーーーーン! ビシッ!
「ちっ、頬を掠めたか……さすがにこうも正確に撃ち込まれては簡単に行動を起こせない。かといって、無理に飛び出しても集中砲火を浴びるのは目に見えて……ん?」
ここで何かが閃く!
「
名案を思いついた私は、密かに紋章の力を解放して全身へ巡らせる!
「コレでよし! あとは……」
身を屈めて両腕で頭と心臓だけを確実にガードすると、その体勢を維持したまま隠れていた岩場の頂上へ一気に駆け上がって姿を完全に晒す!
パァーーーーーン!
「ぐっ!」
パァーーーーーン!
「つっ!」
当然一方に銃撃を食らう羽目になるが、これは全て作戦の内。
「さ、さぁ……どこにいるかわからない狙撃手さん! 私を狙ってどんどん撃ってちょうだい!!」
そう、私がやろうとしている作戦は自らが的になることで受けた銃弾の軌道から狙撃位置を探ることだったのだ!
パァーーーーーン!
パァーーーーーン!
「くっ! ぐっ!」
容赦なく撃ち込まれる銃弾を紋章の力で耐えながら必死に
「どこだ? どこにいる……!?」
気配のない相手はなかなか見つけられず、ついには……
パァーーーーーン!!
高速の弾丸がガードの甘くなっていた脇腹を貫いた!
「……ぶはっ!」
おびただしく溢れる出血により、膝の力が徐々に抜けて……!?
「いたっ! あそこだ!!」
体勢が沈んだおかけで見える角度が変わり、霞む視界でもはっきりと狙撃手を捉えられた!!
「フフフ……やっと……やっと見つけたわ!」
ここから北北西に約八〇〇メートル先に見えた樹高三〇メートル程ある木の上。生い茂った枝に隠れ、
パァーーーーーン!
「甘い!」
もはや相手の位置が確認出来た以上、ただ真っ直ぐに飛んで来るだけの銃弾を躱すなんて
「さぁて、これでようやく反撃開始ね!」
私は脇腹の痛みを気力で抑えると、全速力で狙撃手の元へ向っていくのであった!!
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