23話 試験

サクサクと試験は進み


「次37番!」


アンヌお姉ちゃんの番号が呼ばれた。


「はい!」


緊張しているのかいつもより気合がはいいている。


「得意な魔法をあの的に撃ちなさい。」


試験官にそう言われアンヌお姉ちゃんは魔力を練りだす。


「ウィンドカッター!」


アンヌお姉ちゃんの魔法が的に当たる。


その上には89と数値が出た。


ここまでの平均は75なので平均より少し上ぐらいだ。


「もう一度打ちますか?」


試験官に問われアンヌお姉ちゃんは首を横に振り


「大丈夫です」


「なら試験の結果。合否は一週間後に発表されます。」


その言葉にうなずきこちらに戻ってきくる。


「お疲れ様です。アンヌお嬢様」


「ありがとう。昨日はあんまり不安はなかったけどやっぱり本番は少し緊張するわね」


緊張から解放されて肩の力を抜く。


「疲れたわ。早く帰りましょ」


その後、馬車に乗り学園を後にして王都の屋敷にかえる。



屋敷の中に入るとメイドさんと一緒にネロ様とエレーナ様が一緒にいた。


「お疲れ様。アンヌ。」

とネロ様


「アンヌうまくできたかしら!?」

エレーナ様


「ただいま!お兄様、エレーナ姉様。試験はたぶん大丈夫だと思うわ。平均よりすこしだけ得点が高かったから。でもほかの会場の平均がわからないし少し不安です。」


「アンヌなら大丈夫だわ!なんたって私の妹なのだから!」


「ふふ、ありがとうエレーナ姉様。疲れたから部屋で休んできていいかしら?」


「そうね!また後で話しましょ!」


「そうだね、ゆっくりお休み。」



その後アンヌお姉様の部屋に来た。昨日も来たが特に何も置かれていないよく言えば物が少なく落ち着いた部屋。悪く言えば無骨な部屋。


「レノア、お茶を入れて頂戴。甘いものも欲しいわ。」


「かしこまりました。アンヌお嬢様」


「もう、屋敷に帰ってきたんだからいつも通りでいいわ」


つい外にいるときと同じように話してしまった。


アンヌお姉ちゃんが試験前に一人スキルや魔法に考えていてふと、ラノベや漫画が読みたいと思っていたら新たなスキルが手に入った。

その名も”ネット通販”そのまんまかよ!ご都合主義ここに極まり!


なので紅茶はいつも道理ここにある茶葉を使い。甘いものはネット通販からチョコレートを購入する。このスキルは買い物にお金ではなく魔力を消費するようで魔力が多い俺からすればありがたい。チョコの消費魔力は50ほど。


出したチョコは俺が好きな生チョコ。


「あら?これは何かしら?」


俺が異世界から来たことを言っていないので何と答えるべきか、


「それは僕が考えたお菓子です。アンヌお姉ちゃんの口に合うかわかんないけど食べてほしいな」


ごまかしておく


「あら、そうなのね。それは楽しみね」


紅茶を一口飲んでから生チョコを一緒に出しておいたフォークを使って食べるアンヌお姉ちゃん。


俺は口に合うかなとドキドキしながらみている。


「………」


無言で固まるアンヌの姉ちゃん。


「まずかった?」


俺がおずおずとアンヌお姉ちゃんに声をかけるとハッとしてこちらを見る


「これはなに?魔法の食べ物?それとも夢?」


え?アンヌお姉ちゃん?


「これすっごくおいしいわ!まだ作れるの!?他にもこんなにおいしいものはあるのかしら!?」


いつになく大きな声で詰め寄ってくるアンヌお姉ちゃん


「まだあるよ!他のもあるから!」


近くにアンヌお姉ちゃんのかをがあってドキドキしてしまう。


俺の答えに我に返ったのか顔を少し赤らめて席に着き


「そう。でもこのお菓子は私が許可した人だけにしか出してはダメよ。わかった?」


「分かったよ。でもなんで?」


「これをめぐって戦争が起きるは!」


そんな大事に!?なるわけないといいたいところだがアンヌお姉ちゃんがいつもよりさらに真面目な顔をしていたので


「わかりました」


俺にはこれを言うのが精一杯だった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る