今のままで
勝利だギューちゃん
第1話
何気ない日常。
それが一番幸せではあるが、あっけな崩れ去る。
「今日も疲れた」
仕事が終わり、帰宅する。
自宅である、アパートのドアをあけて中に入る。
部屋は片付いている。
ていうか、何もない。
「さてと・・・」
エプロンをつける。
これから料理をする。
苦ではない。
料理は僕の、たったひとつの趣味だ。
「今日は何を作ろうか?」
ピンポーン
「だれだ?こんな時間に」
ドアを開けると、見知った女の子がいた。
大家さんの娘の、女子高生の真奈ちゃんだ。
「真奈ちゃん、どうしたの?」
「お兄ちゃん、ありがとう。今日も美味しかったよ」
空の弁当箱を差し出してくる。
「明日でも、よかったのに」
「ううん。今日中にお礼を言っておきたかったから」
笑顔で微笑む真奈ちゃん。
とても、嬉しそうだ。
作った甲斐がある。
「いつも、ありがとう。」
「いいよ、ついでだ」
魂胆はわかっている。
「晩御飯だろ?いいよ。食べよう」
「本当?ごめんね」
「いいって、いつもの事だ」
このアパートは伯父が軽々している。
つまり、真奈ちゃんは姪。
「伯父さんと。伯母さんは?」
「旅行」
「まだ?」
「うん」
結構なご身分で・・・
こういった何気ない日常もいつか崩れ去る。
思いもよらない形で・・・
「お兄ちゃん」
「何?」
「今晩泊めて」
「断る」
「ケチ」
「ケチじゃない」
今のままで 勝利だギューちゃん @tetsumusuhaarisu
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