咲くまで

草薙

咲くまで

この街に暮らすあなたが持っている切り札っぽいポイントカード

猫は転職とかしない ずっと猫 夜の商店街抜けていく

手羽先が指に食い込む生きている限りはずっと恥ずかしいのか

大根の花も花でしょうスカートについた砂粒はらってもらう

エビアンを両手に受けてわらってる汚すぎると叱られながら

好きな曲を嫌いになってもいいんだと気づく春昼 人間もそう

地動説 うそ で検索かけている夜中のこういうのは癖になる

窓際にずっと置いてる十円が骨董品の雰囲気だった

頼りなく百科事典を繰る指に窓のひかりはいっとき触れる

飾るなら海の絵がいいそんなこと怒られながら考えていた

菜の花を思わず摘んでそのために小瓶あがなうようなやり方

ひさびさに飾ってみてもバランスをきちんと取れるモビールだった

でも全部点描だったらどうしよう眼鏡を取った顔が平たい

腕に腕巻きつけて寝る三月にいっかいきりの組体操を

つけた火が私に迫る さよならの前に三分だけの寄り道

ごめんねを受け止めるため目を閉じてでも聴覚も奪ってほしい

さら砂をかけて磨いた泥団子、そう昔からひとりだったよ

ひと漕ぎで歳をとりたい見渡せば青みがかった蕾ばかりで

勘のいい植物たちが芽吹きだす道のまんなか泣いてもよいか 

この街で生きる、生きてくしかないの私が私に作ったうどん

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咲くまで 草薙 @naaaaagi_31

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