5色(ゴシキ)

わいちゃ

第1話

今から友達を作れるなら、誰と友だちになりたいかな。私と似てる人?ぜんぜん違う人?

知らない人はたくさん見たことがある。でも、

友だちになりたいって、どういう感情なんだろう。

         ◎

「っは」

赤音はそんな夢の途中で目を覚ました。

「今日も変な夢見たな」

ここ最近絶妙に内容が違う夢を見る。

「まあいいや、出かけますか」

赤音は橙色の髪を束ね、いつも通り街に出た。通勤ラッシュ後の街をようやくビル群から顔を出した太陽が照らしていた。

「橙色、毛先が紅い髪、セキ族に伝わる衣服の改造、そして10代少女の身なり」

「あいつですか」

         ◎

「すみません」

身寄りも学校も何もない赤音に珍しく声をかける者がいた。当の赤音は誰かわかっていない。

「えっと…何ですか?」

「警察のものなのですが、あなた学生さんですよね?学校はどうしたんですか?」

「あっ、いや」

赤音が言い訳する間もなく、警察(?)は言葉を並べる。

「少しついてきていただいてよろしいですか?」

その瞬間、赤音は橙色の髪を翻してー

逃げた。

そのスピードは本物のヒョウか何かのようだった。

「待ってくださいよ」

ダッシュで逃げる赤音の眼前に警察官が現れた。危うくブレーキできず大クラッシュだ。

(いや、どういうこと?私のダッシュは車レベルのはずだよ!?)

明らかにヤバい人だが、全力ダッシュで振り切れないのだから捕まるしかなかった。発言通り警察であるほうがまだマシである。

(ま、捕まってからでも逃げられるし、いつもより面白そうだな〜)

赤音はそんな事を考えながら、明らかに警察官とは思えない容姿の男について行くのだった。

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