第3話

レンタルドレススペース

女性がスタッフと一緒にウエディングドレスを選んでいる。


宮本と男が入って来る。

包帯でグルグル巻きにされグローブと化した宮本の手。


女 

「……おじさま、どうしたの?」

宮本

「いやぁ、ちょっとね、転んじゃって。」

女 

「骨折?」

宮本

「いや、そんなんじゃないよ。」

「もう良い歳なんだから、気を付けてくださいっ!」

宮本

「……はい。」

女 

「お父さんもよ。」

男 

「……はい。」


三人の様子を微笑ましく見ているスタッフ。

娘、恥ずかしそうにドレスを頼む。


男 

「私達で良いのか?」

娘 

「二人に選んで欲しいの。」

宮本

「あれ? 婿殿は?」

娘 

「仕事で遅れるって。」

男 

「そうか。」


スタッフ、ドレスを何着か持って来る。


娘 

「候補、絞ってはみたんだけどね。」

宮本

「綺麗だなぁ。」

娘 

「どれが良いかな?」

宮本

「どれだって似合うよ。」


男、花の刺繍が入ったドレスを指差す。


男 

「これ、ソウカのドレスに似てるなぁ。」

娘 

「へぇ〜。」

宮本

「ソウカ先輩、いや、お母さん。とても綺麗だったんだよ。」

娘 

「私、これにする。」

男 

「すまん!ついな。もっと吟味しなさい。」

娘 

「これが良いの。お母さんが選んでくれたんだと思うから。」

男 

「結局……か。」


優しそうな男、申し訳なさそうに入って来る。


「さっき決まったわよ?」


残念がる婿に笑う三人。

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