スキル【雑草栽培】で町おこし!?〜なお、雑草は雑草でもファンタジーな雑草でした〜
@marumarumarumori
四月
第一草
人間っていうのは、キツイ状況が続くと、逃げ出したくなる生物だ。
かくいう、この僕..........
だけど、田舎生活は僕に合っていたのか.......今のところ、のんびり暮らしている。
.................ついさっき、ファンタジーでよくあるステータス画面が出るまでは。
若葉「嘘ぉ.......」
目の前に浮かぶ、半透明の画面に対し、思わずそう呟く僕。
その画面には
名前:ミドリイ・ワカバ
種族:人間
レベル:1
スキル:雑草栽培
という感じの情報が書かれていて、ますますファンタジーっぽい感じがするのだった。
若葉「てか、【雑草栽培】って何?」
とにかく、スキル確認でもしとくか。
【雑草栽培】
その名の通り、雑草を栽培するだけのスキル
栽培できる雑草のほとんどは、食べることができる
なお、たまにレアな雑草が生えるかも?
若葉「名前のまんまだな.......」
スキルの説明を見ながら、そう呟く僕。
そして、しばらく考えた後..........僕は、試しにスキルを使ってみることにした。
んで、その結果...........ものの見事にスキルが発動した。
え?どうやってスキルを発動したのかって?
そりゃあ.....心の中で、スキルの名前を叫んだに決まってるだろ!!
まぁ、そんなわけで..........今、僕の目の前には、【雑草栽培】の画面が出ている。
画面は画面でも、ゲーム画面的なやつだけどね。
若葉「...........マジでゲームっぽいな」
【雑草栽培】の画面には、〈栽培〉〈図鑑〉〈倉庫〉〈ショップ〉などなどがあって、割と本格的な感じだった。
でも、レベルがまだ低いからなのか、今現在、育てられる植物は
・ケアル草
・MPタンポポ
の二種類だけ。
しかも、雑草の栽培には時間がかかるらしく.................ケアル草は10秒、MPタンポポは30秒ぐらいかかるのだとか。
..........ますますゲームっぽいな。
というか、ケアル草って何?MPタンポポって何?
若葉「あ、そうだ。〈図鑑〉があったんだった」
一応、〈図鑑〉でケアル草とMPタンポポのことを調べてみると
〈ケアル草〉
どこにでも生えている雑草
見た目は五葉のクローバーに似ている
食べれば、どんな怪我も回復する
例えるなら、キャベツのような味がする
〈MPタンポポ〉
どこにでも生えている雑草
見た目はタンポポに似ている
食べれば、体に魔力が満ち溢れる
例えるなら、ルッコラみたいな味がする
てなことが書かれていた。
若葉「どこにでも生えてる.....雑草?」
そもそも、そんな名前の雑草は、見たことも聞いたこともないんですけど。
しかも、ご丁寧に味まで書かれてるし。
ケアル草に至っては、五葉のクローバーて..........
若葉「ま、ちょうど暇だったし.....やってみるか」
こういうのも、たまにはいいかもしれないな。
画面を見つめながら、そう思う僕。
だけど、この時の僕は知らなかった。
まさか、僕が栽培した雑草が、やがて街おこしに繋がることを...........
☆☆☆
緑井若葉
本作の主人公。
ブラック企業で限界寸前まで働いていたものの、恋人と破局したことがきっかけで、退職。
その後、本作の舞台となる田舎町...........木之下町に引っ越し、のんびりスローライフを送っている。
ある日、突然スキルに目覚めるが、そのスキルが後々とんでもないことを引き起こすことを、彼は後々思い知るハメになる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます