採算ラインが取れる小説なのか?


「採算ラインが取れる小説なのか?」


 この課題に応える小説が少ないと思う。


 ネット小説は趣味範囲で書いている人が多い。

 しかし、商業化するためには、採算ラインが取れるものを書かなければならない。で——。


 その点をあんまり考えていない人が多いなぁ〜と思った。


表層「地の文」「会話文」

深層「アイデア」「ストーリー」


 この四つのどれかが、絶対に足を引っ張っていると思うね。

 最低限でも全部の能力を10段階評価で、6まで伸ばす。

 その上で、自分の長所を8〜9を狙いにいく感じにしないと。


 特に——。


「アイデア」が弱い人たちが多いわ。

 というか、発想力が乏しい。

 いや、自分のアイデアを正しいと思い込み、錬成していない人が多い。


①平凡なサラリーマンが銀行強盗犯になる話


 多くの人が、上記の発想で小説を書き始める。


「あ!! これ面白いぞ」と思ってね。


 ただ、待てと。もう少し考えてみろと。


 なぜ彼は銀行強盗犯になるのだ?

 そもそもな話、銀行強盗犯になる必要性はあるのか?


②平凡なサラリーマンが国家テロリストに仕立てられる話


 平凡なサラリーマンでは面白くない。

 そもそも論、国家テロリストに仕立てられる理由とは何か?


 主人公は、国家機密を知ってしまった存在。

 若きエリート官僚で、正義感が強い男にしよう!!


③国家機密を知った若きエリート官僚が、国を牛耳る悪い奴等のせいで国家テロリストに仕立てられる話。自衛隊や警察などの公安職が「主人公」を襲いかかるものの、主人公は頼れる仲間に連絡を取りながら逃げ惑う。


 物語の始まり方は——。


「お偉いさんの暗殺(不謹慎なので具体的な役職は書きません)」


 全国民が見届けるパレードの最中、お偉いさんが暗殺される。

 改竄されたテレビ中継には、自分と全く同じ顔を持つ犯人の姿。

 主人公は警察に捕まるものの、偶然が重なり、パトカーから逃亡を図る。

 それを契機に、凶悪犯罪者のレッテルを貼られ、全国民が敵になります。


 一週間にも及ぶ逃亡生活。

 主人公は、自衛隊や警察などの公安職に取り囲まれ、射撃命令まで出される始末。絶対絶命のピンチに陥り、もうダメだと思っていた頃合いで——。


 ピストルの「バンッ!!」という銃撃が放たれるわけだ。


 これで第一部完結。


 その後——。


 第二部では、お偉いさんの暗殺事件から五年が経過する。

 舞台は、東南アジアの荒れ果てた酒場からスタート。

 現地人と混じって、大量の酒を浴びるように飲む男がいる。

 彼は主人公とは全く違う顔を持っている。

 で、この男が、主人公に対して、異常な感心を持つことに。


 物語の途中で、実は「この男は整形した主人公だと判明!!」

 更に、お偉いさん暗殺計画を企てた連中への復讐を着々と進めていた。

 国籍も名前も更には、顔さえも変えてしまった男の復讐劇が始まる。


 みたいな感じの流れにすれば、面白いなぁ〜と思います。


 つまり——。


 十中八九「面白そう!」と思えるアイデアを使おうというお話です。


 銀行強盗犯よりも国家テロリスト。

 こっちの方が遥かにスケールが大きくなり、物語としての幅が広がると思うのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る