文章の書き直し癖を解決する思考方法

【導入】


 私は文章の書き直し癖が酷い。

 何度も何度も書き直す癖があるのだ。

 同じ文章を読み返して、何か違うなと思い、毎回書き直してしまうのである。


 結果、私は小説を更新できなくなるのだ。


【文章の書き直し癖を直す大前提の考え方】


「時間を掛ければ、上手い文章が書ける!」


 という幻想をぶち壊すことである。


 読み手に応じて、文章の良し悪しは変わる。誰かが百点を付けた文章は、他の誰かには50点ぐらいの可能性が大いにあり得る。


 なので、妥協することを覚えるべきだ。


 自分は普通の人間だ。

 文才がある人間ではないと自覚すること。

 その第一歩を踏み出すと、気楽になれる。


【書き直し癖が酷い私の例】


 書き直し癖が酷い私みたいな人間は、細かい部分が気になって仕方がないのだ。今も、「のだ」を消して、「仕方がない」で終わらせたほうが、綺麗な文章になったのではないかと考えている。


 だが、そんな考えは、読者にとっては些細なことである。正直、どうでもいいことだ。


 他にも……。


 私は彼女の隣に座った。

 彼女の隣に私は座った。


 など、主語をどこに置くかも迷ったり。


 天使のような微笑みを浮かべ、彼女は手を振ってきた。


 彼女は天使のような微笑みを浮かべ、手を振ってきた。


 天使のような微笑みを浮かべた彼女は、手を振ってきた。


 手を振る彼女は天使のような微笑みを浮かべている。


 どの文章が最も読者に伝わりやすいかを物思いに耽ったりする。


 この他にも……まぁ、沢山あるが。


 例題は割愛させてもらう。


 ただ、私が深刻な書き直し癖であり、異常なほど文章に固執していることをご理解頂けたのならば、幸いである。


 今の文章も……。


 私が深刻な書き直し癖がある。

 更には異常な文章に固執している変な人。

 そう皆様にご理解して下さると嬉しいです。


 と、書き直すべきだと直感的に思うわけ。


【書き直し癖を直す実践的な方法】


 パレートの法則、もしくは8対2の法則を知ってるかしら??

 簡単に説明しちゃえばね。

 少数の要素が大部分の結果を生み出す法則。

 例えば、20%の原因が80%の結果をもたらすこと。


 で、このパレートの法則を、小説という分野でも適用する。



【完璧主義者の苦悩】


 完璧主義者の私は、本文中の文章が全て名文と呼ばれる作品を書きたい。そう本気で思っていました。

 クリエイター魂だけは素晴らしいし、心意気だけは一丁前やけど……その方法では、量産が不可能になってしまうんだよ。


 でも、その戦い方を、今まで肯定していました。

 なので、私は戦い方を変えることにした。

 それが、前述のパレートの法則である。


【2割の要素を輝かせる為に、残りの8割がある】


 私は、今まで10割名文を書こうとしていた。

 名文とは言わずとも、読者から「上手い!」「凄い!」「天才!」と称賛される文章を書こうと思っていたのである。

 文章が上手い作家だと、私は評価してもらいたかったのだ。


 しかし……。


 この戦い方はあまりにもキツすぎた。

 名文と呼ばれる文章を、毎回毎回書けるはずがない。

 ていうか、美しい表現が次から次へと生まれるはずがない。


 で、私は戦い方を根本的に変えることにしたのだ。


 それが——2割の要素を輝かせる為に、残りの8割がある。


【明文8割と名文2割の法則】


 毎回調子が良い文章は書けない。

 上手い文章を紡げるはずがないのだ。

 なので、私は名文ではなく、明文を紡ぐと決めた。


 その構成比は、明文8割、名文2割だ。


 10行書くなら8行を読みやすさ重視で、2行を個性重視で気合入れて書けばいいわけね( ̄▽ ̄)

 10行全部を個性重視で気合入れて書くと、書き手も読み手も疲れてしまう。純度100%で紡がれた文章は、特定の人間にしか読めない作品が完成してしまう。


【まとめ】


「時間をかけても上手い文章は書けない」

「名文2割を輝かせる為に、明文8割がある」


【補足説明】


 自分が書いた文章が気になってしまう。

 もっと上手い文章が書けたのではないだろうか。

 そう思ったら、とりあえず投稿してみると早いかも。


 私の基準では……。


「二年後もその文章を書き直したいと思うか??」


 二年後も気になる。もしくは、後悔してしまう。

 本気でそう思うなら、書き直せばいい。

 でも、二年後も気になる文章は早々ないと思う。

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