秋元康氏の『企画脳』から得た着想術

 秋元康氏の『企画脳』を読んだ。

 アイデア術というよりかは、セルフプロデュース論を語った内容である。

 兎に角、面白い作品だったので是非とも読んでもらいたいです。


 下記の内容で解説していきますが。

 秋元康氏が語っている内容を私なりに解釈して、小説作りに特化したものへ変換してます。なので、今作を読んだとしても、同じ内容が書かれてない、もしくは私の曲解が入る可能性があることは先にご了承ください。


①幕の内弁当になるな

②カルピスの原液を作れ

③時代はケーキである


【①幕の内弁当になるな】


 秋元康が語るに。

 幕の内弁当は記憶に残らないという。


 幕の内弁当は色んなおかずが入っている。

 唐揚げ、焼き魚、卵焼き、煮物などなど。

 全てのおかずが平均点以上あるかもしれないが、専門店が作った唐揚げや焼き魚には負けてしまう。だからこそ、ダメだと。


 実際に、人で喩えれば分かりやすい。


 人間は個性を一つしか覚えられない。

 実際に有名人を思い出そうとするとき。


 あの眼鏡をかけてるひと。

 あの大食いばっかりしてるひと。

 あの笑い声が特徴的なひと。


 みたいな感じで、一つぐらいしか覚えられないのである。


 で、これを創作に活かすのならば。


 稲垣理一郎先生の作品読んだことある??

 アイシールド21とかDr.stone、今では絶賛ドラマ放送中(退院したら絶対に観る。原作全巻持ってる)のトリリオンゲームを読めば分かると思うんだけどさ……。


 キャラ全員が一つの個性持ちなの!

 で、ただ一つの取り柄。

 言わば、強みがあるからこそ、覚えられるし、輝ける場所もあるんだよねぇ〜。



 大学受験をテーマの作品にすれば。


「数学だけは満点を取る天才」

「現代文だけは解けるバカ」

「英語は最強クラスの帰国子女」


 こんな感じの設定を組んだら、キャラクターが分かりやすくて、読者からの認知度が上がりやすい。


【解釈】


 自分だけの強みを持つ。

 器用貧乏になってはならない。

 何か一つに特化した書き手になる必要性。

 

【②カルピスの原液を作れ】


 秋元康氏は語る。

 カルピスの原液を作れと。


 カルピスの原液とは、企画の源だ。


 例えば、面白い脚本が書けたとすれば。


 それを小説にも、ドラマにも、アニメにも、漫画にも、映画にも、演劇にも、ゲームにも、何にでも応用することができる。


 だからこそ、カルピスの原液を作れと。


【③時代はケーキである】


 ケーキの形は変わらない。

 デコレーションだけが変わるのだという。


 人間の暮らしも同じである。


 今と昔を比べると。

 人々の暮らしは一見変わったように見える。だが、外側だけが変わっているだけで、内側は何も変わっていないのである。


 もっと分かりやすい言葉で示せば。


 内側=原始的な欲求(楽しい、面白い)

 外側=欲求を刺激する物(娯楽コンテンツの変容を考えてもらえれば早いです)


【解釈】


 ケーキを食べるひとの欲求は何か??


欲求「美味しいケーキが食べたい!」

欲求刺激物「王道路線 甘いケーキ」「大人向け路線 少し苦味があるケーキ」「夏向け 酸っぱさがあってさっぱりするケーキ」


 売れる為に、他の人と違うことをする。

 これは戦略の一つになるかもしれない。

 だが、忘れてはならないことは——。


 内側の欲求を満たすことである。


——————————————————————


 ここまでが前段階です。

 で、ここからもう一段階レベル上げる。

 小説寄りの内容を展開していきます。


——————————————————————


 ①②③は二種類に分けることができる。


 ①は作家の戦術である。

 ②と③は作品の戦略である。


【作家の戦術とは?】


 一言で示せば、作家の売りだな。

 何が自分にできるのかってことよ。

 一番自分が得意なものは何かって話ね。


 オールラウンダーな作家を目指したい。

 その気持ちは分かるんだけど……。


 能力開発が中途半端になっちゃうのだ。

 器用貧乏になってしまっては意味がない。


 だからこそ。

 自分の得意分野を見つけるのが先決だな。


 私は「ラブコメ」と「現代ドラマ」


 もっと厳密に言ってしまえば。


 多量の毒がある文章と漫才じみた会話文


 この二つだけはどんな作品を書いたとしても、応用が効くから私の武器になる。


【作品の戦略とは?】


 時代に応じて売れる作品は変わる。

 それでも売れる作品の根底は同じだ。


 外側が違うだけ。

 内側は全部同じである。


 だから、絶対に惑わされてはならない。


 自分の専門分野をまずは見つける。

 例えば、私の場合は「ラブコメ」だな。


 時代が変化するにつれて、ラブコメジャンルにも「キーワード」が変わる。このキーワードこそが、外側のことね。


「純愛」「不純愛」「浮気」「不倫」「ハーレム」「イチャラブ」「NTR」「BSS」


 などなど、時流で味付けは変わります。

 ただ、根底部分は変わらないのである。


 読者が求めるのは、面白い小説である。

 味付けは違えども、面白ければいいのだ。

 時代が変わっても、核部分は変わらない。


 時流に合わせて。

 読者に合わせて。


 自分の専門分野と掛け算させる能力。

 その為にも専門分野を伸ばす必要がある。


 ちなみに。

 私はラブコメと心中する予定である。

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