春雷に 撃たれて死なむ 百年後

百年生きる時代と聞きますが、三桁いったら寝たきりが多くなりそうで、ちょっと怖いです。私は今若いので老後が何かわかりませんから、ノロリと生きるだけならスパッと逝ってしまうほうが楽なのでは、と思うことがあります。

昔、友だちと「もし、死因を選べるなら」を話しました。その時私は、「なるたけ苦しくない、普通じゃないもの」がいいと言いました。何にでも見栄を張りたいので。

大きな雷を見ました。たかだか十数年の人生ですが、今までの人生の中で最も偉大な雷でした。春の不安定な天気に、雷雲が大雨を落としてザアザア言いながらやって来たのです。あんまり雷鳴が巨大なものだから家がキシキシ鳴りましたし、電気が雲を走るのが鮮明過ぎて夜空は裂けたかと思いました。白いような、薄く紫がかったような上品な色をしていました。

あれに撃たれて死ぬなら光栄かなと思いました。

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