ホームレスから転生したら世界最強のホームレス?

てるた

第1話天国から地獄へ

「社長!」

 秘書の栗本梓くりもとあずさが俺の名前を叫び会社内を探しまわってた。

「騒々しいね。俺は今からティータイムの時間でゆっくりとお茶でも楽しもうと思っていたのに」

「社長そんな事よりも大変なんです」

「そんな事だと。俺はティータイムがあるからこそ仕事を頑張れる。もしもティータイムが無ければ俺は・・・俺は・・・・・・俺は・・・・・・・・・!」

「もう何訳からない事言ってるんですか。しかもまだ朝なのでティータイムの使い方間違ってますし」

「まぁ細かい事は言いっこなしだよ。でそれよりも何?」

「あーそうでしたそうでした。とにかくこっちに来てください」


 言われるがままに栗本の後を付いて行ったら栗本は社長室の中に勝手に入り、俺のパソコンを勝手にいじりだした。

「ちょっと栗本さん勝手に俺の部屋に入って、パソコンを起動するのやめてくれるかな。もしも俺が変な画像や動画を観ていたら栗本さんにドン引きされちゃうからね」

「ちょっともう、バカ社長早くこれを見てください」

 栗本は俺の首根っこを掴み強制的にパソコンの画面を見せた。


 俺はパソコン画面にかかれている記事を見て目を疑った。

「何でこんなことが?」

「分かりません」

「社長! 今会社の入り口に警察官の方あお見えになってられますけど?」

 もう一人の秘書、岸本朱里きしもとあかりが社長室の中に勝手に入ってきて俺に告げた。

「岸本さん警察官を中に入れずどうにかして追い出して」

「やれる事はやったんですけど」

「警察だ! 烏丸涙からすまなみだ、あなたを金融商品取引法第166条に該当したと判断し、我々はあなたを現行犯逮捕します」

 逮捕状を見せられ、俺の手首にはアニメやドラマ、そしてニュースで悪いことをしたやつらと同じ物が装着されてしまった。

「よし連れてけ」

 警察の一人の呼びかけで俺に手錠を付けた警察官の下っ端が歩きだし、つられるように一緒に歩いた。

 


 月日は流れ、あれから五年。

「もう変な事はするなよ。これからは真面目に働いてコツコツと生きろよ」

 この五年間俺を更生させる為に一緒にいてくれた警察官の一人に頭を下げ、俺はこの監獄を後にした。


 向かった先は東京秋葉原に会社を置く俺の会社【株式会社コナオ】だが、その場所にもう自分が見慣れた建物はなく、違う会社がそこに建立していた。

 まぁ当然だけどな。

 一応俺もここの会社の代表だったから、どうなったのか見たかっただけだし、別に泣かないからね俺。

 俺男の子だから、絶対に泣かないからね。

 俺は頬に冷たい感触が通ったが、気にする事なく街の中に消えた。

 

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