音楽のセカイ

るるあ

第1話 物語の幕開け

春休みに入った。

今日で、3日目。


学校に行かなくていいという、

解放感の溢れる日々だった。


「レノン、そろそろ寝たら?」

「え、まだ早くない?」


「体調崩すから寝なさいよ?」

「……わかった、おやすみ」


「おやすみ」

「あのね、お母さん……、」

「……なに」


もう話しかけないで、という顔をして

私を睨みつけてくる。


きっと、早く1人の時間を過ごしたいんだ。

「ううん、やっぱりなんでもない……、」


「そ。」

心配してくれたのかと、

期待した私が馬鹿だった。


きっと心配なんて欠片もないだろうし、

どうでもいいと思っているんだろうな。


中学生とはなにか、正確にわかるまで

眠れない気がした。


進級、進学。

この一文字の違いで、

生活がこんなにも変わっていいものなのか。


どうでもいいような、そんなことを

ただただ深く考えてしまう、


そんな自分は気に入っていなかった。


むしろ、大嫌いだった。

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