　巧人の知識を経てここの文明は一気に進んで行った…だが巧人と喧嘩別れをしてしまった

　―その日巧人がまた武器を作りたいと言ったが作るのを止めさせたそして言われてしまった「じゃあ俺のより良いのを作ってみろよ」

　一瞬何を言われたのか分からなかった…だが次の瞬間に怒りの感情に飲まれ巧人に手を上げてしまった「…巧人すまな」「今までお世話になりました」「い…は？巧人どういう事だ？」

「……」何も言わず出て行ってしまった「……」工房で一人取り残されその場に一体何数秒いや数分間立ち尽くしてしまった言われてしまった…巧人の言っている事は合っているどんだけ頑張った所でアイツの作った武器を超える事は出来ないのだろう

　何十年この道を歩んで来たのにその歩みが経った数か月に負けてしまう…正直認めたくはない自分がいるでも認めざるおえない自然と涙がこぼれ落ちていくこの涙は一体どの涙なのだろうか？

　それから数日数週間数か月経っても巧人は戻って来なかった工房の中にはアイツが最初に作った刀が置いてあるままだった

　それから風の噂で海岸で鍛冶屋をしていると聞いたそれからは一人工房でただあの刀を超える物を作る努力をした…だが超える事は無かった恐らくアイツを理解する事も結局出来なかったのだろう

　―「あの時巧人が出て行くのを止めていたら少しは状況が変わったのかも知れないな」「…そうだったんですか」「仲月アイツ…巧人の事を頼んでも良いか？」「本人が良いのなら」「そうか、ありがとう」

「僕達はこれから巧人君に会いに行ってきます」「あぁ…頼んだ」「じゃあ行くぞ」「はーい」「分かりました」二人が先に出て最後に俺が出た厨房を出る際に見た後ろ姿は罪悪感を持ったように見えた

「確かここから向こうに行けば良いんですよね？」「そうだな」「ちょっと仲月何か悪い事でも考えてるんじゃないでしょうね？」「何でそう思うんだ？」「顔がそう見えるから」

「まあ気にするな俺はいつもこんな顔だ」「そう言われればそうね」ただ悪口を正面から言われただけだったしかし…文化を発展させてしまったか……知識、情報は独占して価値がある物だ

　数十分ほど歩き海岸まで着き鍛冶屋に近づいて行った際背後から妙な視線を感じ振り返ったどうやら錦戸も気付いたらしい一瞬だが狐？狼？狸？知らない動物だった鋭い目でこちらを見ていたが直ぐに姿をくらませた

「二人共どうかしたの？」「今の見たか？」「はい、初めて見ました狐みたいでしたね」「…そうだな」「へーそんなのがいたんだ」何も興味無さそうな言い方だ「それより行かないの？」

「そうだな」

　―さて…今日は何をするかな工房でただ一人転がりながら考えていた時ドアがノックされたここに客が来るなんて事はまず無い来てもあの二人どちらかかそれか…

「鍵開いてるんで入って大丈夫ですよ」その呼びかけでドアが開けられ「君が巧人君で合ってる？」初めて見る顔の三人組が入って来た「はい、合ってますが…どちら様？」「俺は仲月って言うんだけど…」

　さて、もし賊か何かだったら戦えるか？いや勝てる気がしないな特にあの白い髪の女ヤバいな男の方が辺りを見渡し指を指（さ）し言った「なあ？あの武器ってソードブレイカー？だよな」その一言だけで戦う覚悟は何処かに行ってしまった

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