2-3-ɤ 女子会3
SIDE:九条
重川君が王国の刺客としてやってきてから数日が経った。
正直に言えば私はまだ混乱している。
彼のことは少し苦手意識があった。
時折、私のことを舐め回すように見てくる時があり、一瞬ではあるが時々不快な感情に支配されてしまうことがあったからだ。
それでも友人だから・・・と自分に言い聞かせてなんとかやってきた。
しかし彼は友人では無かった。
彼は最初から私に近づくのを目的にして、勇也君やレン君に近づいていただけだと知ってからは不快感しかなかった。
加えてレン君も私も、彼に殺されかけた。
はっきり言ってしまえば、もはや顔も見たくない相手だ。
しかしここまで徹底的な敵対行動。
このまま終わるわけがないとも考えていた。
何はともあれひと段落が付いた。
そしてそれがきっかけでレン君自身も変わった。
レン君は今まで女性・・・いや人付き合いに対して一歩引いた姿勢を見せていた。
私たちが好意を向けても拒絶しているように見えた。
レン君はそれを認めたうえで今後は少しでも改めていく。
と説明してくれた。
これをきっかけにハーレムに参入してきたのが、レン君とポーション作成のやりとりをやっていたヒーレニカさんという女性と、公爵家から、学校へ通うのになぜかレン君の家から通っていたレミリアさんだ。
どうにもヒーレニカさんは以前からみんなのため活躍するレン君に対して好意を抱いていたそうだ。
レミリアさんも同様の理由で好意を抱いたが、ここに来た理由は公爵家の政略結婚の為だそうだ。
とレン君の心境の(私にとって良い方向)の変化に喜び、
新たなライバルの出現に戸惑っていると、
愛理から全員に呼び出しがあった。
集まるなり愛理が爆弾発言をする。
「さてみんな、集まったところで悪いけど宣戦布告しておくわね?」
「「「「「「!?」」」」」」
「私たちの旦那様だけど、今回の件で大分変ってくれたみたいね。
前は私たちが好意を向けても、のらりくらりと躱している感じがしてたのだけど、
それを受け止めるような宣言があったからね・・・
これから先は一切遠慮せずに私は攻めていくつもりよ」
「遠慮してたの?裸で夜這いかけてたくせに?」
と明美が言い出す。
「「!?」」
「「・・・・」」
どうやら里美と絵里奈は知らず、ヒーレニカとレミリアは知っていたみたいね。
ヒーレニカには本来年上だから『さん』を着けるべきなのでしょうけど、これからは対等の立場だから遠慮するつもりはない。
私からしたら彼女とて泥棒猫でしかないのだからね。
でも明美の言葉に思わず反論してしまった。
「それをあなたが言うの?同じことしてたあなたが?」
「!?」
「お、お姉ちゃん!?」
「「・・・・・」」
またしても知らない2人に、知ってる2人。
「あら、私は遠慮してない自覚はあったつもりよ?」
「そういう問題じゃないんですけど!?」
思わず叫び返した。
「愛理、聞いておきたいんだけど、これ以上何するつもりなの?」
「愚問ね愛美、裸での添い寝をした男女がやるこれ以上のことなんて一つしかないでしょう?」
「「・・・・・・・・」」
お互いに無言になる。
どう反論しようか迷っていると、さらなる攻撃が来た。
「それに、ベッドだけで彼と一つになるのはどうにも味気がないわね・・・
となるとお風呂もいいかもしれないわね。
それにこの家の中で、勇也君とアリシアさんがいないところであればどこでやってもいいんじゃないかとも思ってるわ?」
「「「「「「!?!?!?」」」」」」
この発言には全員が完全に驚愕していた。
つまりそれって・・・
2人がいないならリビングでも廊下でもどこでも交わろうってこと!?
思わず反論した。
「破廉恥なのね?」
「そうね。自分がこんな女だなんて知らなかったわ。でも良いわ。
彼のハーレム、つまり私の競争相手は皆美女、美少女なんだもの。
破廉恥だと言われた程度で勝てるなら安いものよ?」
「!!!」
マズイ。このままでは私は負けてしまう。
嫌だ!せっかくまたレン君の近くに居られるのに・・・
再びレン君が遠ざかってしまう!
だったら、私だって外聞を捨ててやる!
「上等じゃない!あなた達には負けない!」
「あら、あなたも宣戦布告できるのね。てっきり臆病者だと思ってたのだけれど」
「なっ!?」
「だってそうでしょ?日本に居たころから彼の近くに居て、それでも自分が傷つくことを恐れて手を出そうとしなかったんだから。そのうえで彼の近くに居続けようとした卑怯者。それがあなたでしょう?」
―――こいつ!!!何も知らないくせに!!!―――
その瞬間、私の覚悟は決まった。
私の全てを使ってでも、レン君に認めてもらう!!!
レン君を堕とす!!!
ここでこれ以上話しても時間の無駄ね。
私は部屋から出ていこうとした。
「どこに行くのかしら?」
「お風呂よ。レン君に愛してもらう前に身綺麗にしておきたいからね」
「へぇ?」
「「「「「!?」」」」」
「なら私も行くわ」
「来なくていい!」
「勘違いしないでくれるかしら?
蓮司に愛される前に綺麗にしておきたいのはあなただけじゃないのよ?」
無言で睨みあう私達。
「「フンッ」」
とお互いに歩き出す。
「おいていかれるわけにはいかないし、やるかぁ」
「良いわね・・・男1人に女7人。なかなか熱い夜になりそうね」
「わ、私だって負けない!」
「一番年上だけど、それだけの積み重ねがあるので負けるつもりはありません」
「あらあら、ここで引いてしまっては一番不利な状況の私には勝ち目がありませんね。私が考えていたよりも時期は早いですが、私も勝負に出るとしましょうか」
全員ついてくるようだ。
その後全員でお風呂に入り、全員でレン君の部屋に突撃した。
初めてを周りにいる女に奪われるわけにはいかない。
そう思った私は一番にレン君に跨り、彼を私の中に入れた。
どうにもレン君は本番は初めてみたいだった。
痛かったけど、レン君の初めてを奪えたこと、私が一番になれたことは嬉しかった。
だけど他の人も初めてだったらしくベッドには赤い染みがいくつかできていた。
それからの私たちは本当に外聞なんて気にしてなかった。
人目が無ければレン君を求める毎日。
この様子だと私たちが身ごもるのも時間の問題なんだろうな・・・
そんなことを思いながら毎日を楽しく過ごした。
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