ネガティブガール
大学生活には慣れましたか、って、よくそんな事を聞かれる。私はきっと最後まで大学生活に慣れることなどないし、慣れることがいいことだとも思わない。ドタッとかバタッとか言いながらウロチョロする大学生活の方が、若々しくていいじゃないかなんて若い頭で考えている。
この人の話をここで書いたかどうか、正直なところ全く覚えていないのだが、書いていないということにして紹介しよう。この三ヶ月で、私にはどうにかこうにか何人か、友達を作ることが出来た。そんなに短い時間で友達かどうか分かるのかみたいな意見もあるし、私もどちらかというとそっち派だが、今回に限ってはそれは言わないで欲しい。病んじゃうから。
その中の一人が、タイトルにもなっている「ネガティブガール」である。ネガティブガールにももちろん本名はあるし、そもそも私は本人の前でも他の人の前でもこの人をネガティブガールなんて呼ばないが、今回に限ってはそれは言わないで欲しい。面倒だから。
ネガティブガールは決して悪口では無い。むしろ私は彼女のネガティブな部分が好きだ。ネガティブガールの口癖は、「へぇ〜、そうやって君も私から離れていくんだね」である。ちなみにこれは私の口癖でもある。とにかく気が合うのだ。私も時々ネガティブを拗らせるから。
どうしてこの人のネガティブな部分が好きかって、やはり落ち着いている。ネガティブには想定外の事態なんて滅多に起きないのだ。九割は起こらないと分かっているのに、その九割の分もきちんと心配する。もちろんそれで彼女はいつも疲れていて、みんなでご飯を食べに行く時にソフトクリームでも奢ってやろうかという話を他の友達と繰り広げるほどなのだが、私は彼女のそういう部分をとても良いと思っている。楽観的な人ももちろん一緒にいて楽しい。でも私は凄く悪い人間だから、自分よりも少ないエネルギーしか使わないで、自分と同じ評価を手に入れる人とか、失敗のフォローをさせて他の人を振り回す人が少しだけ苦手だ。
ネガティブガールといると疲れるという人がたくさんいるが、私みたいなネガティブからするとかえって楽なのだ。
一緒にいて楽しいかどうか、ですら個人の価値観によるんだから、人間はどこか欠けていて面白い。その欠けている部分を好きになれれば、きっと良い友人が沢山できるんじゃないか。それが難しいのは分かってるけどね。
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