水になれたら気体にも個体にもなれて最強なのではないか?

@Ryotsuan

第1話 みずみずしい

 ここは地球、ただし2100年の地球。そこでは資源は底をつき、文明もストップした。    

 そして地球は終わりのように見えた。

 しかし、突如、不可解な地震が世界を震わした。その地震は世界各国に穴を開けた。その穴の中には未知の資源、未知の道具、未知の敵があった。

 人々はその穴をダンジョンと言った。

 ダンジョンの出現は人類にも影響を及ぼした。人類はが使えるようになり、といったものが追加された。

 そして、ダンジョン内の敵を倒すとレベルがあがり、ステータスが上がることに人類は気づいた。そして、ステータスが上がることで身体能力や頭脳などが、良くなっていくことにも人類は気づいた。

 そのステータス、未知の資源や道具に惹かれてダンジョンに潜る職業が出現するようになった。

 人々は彼らを潜水者ダイバーといった。









「はやくしなさい!蒸最!学校に遅れるわよ!新学期初日に、遅刻したら恥ずかしいわよ!」

「ヤバいヤバい!遅刻する!行ってきます!」


 彼の名前は水氷すいひょう 蒸最じょうさい。皆には『ジョウ』って呼ばれたりする。東京に住んでいる中学2年生、成績は上の中って所だ。


「ヤバいけど大丈夫!現在の風は毎秒10mの北西の風!そして学校は南東にある!【変身】!」


 彼が【変身】というと、ジョウの肉体は徐々にぼやけて消えた。だが死んだ訳では無い。ジョウはになったのだ。ジョウの魔法の能力は【水変身ウォータートランス】自らを液体、気体、固体に変換する能力だ。

 液体には液体にしかないメリット、デメリット。固体にも固体にしかないメリットがある。ざっくり紹介しよう。


ーーーーーーーーーー

・固体 自身の硬度を操作することができる。しかし、硬化した部分を動かすことはできない。また、硬化するとき、周りに一瞬熱を放出する。


・液体 どんな狭い隙間でも入り込める。物理ダメージを無効化。操作性が良い。しかし、自分からの攻撃はほとんど通じ無い。他の液体と混じる事ができる。


・気体 どんな狭い隙間にも入り込める、物理ダメージを無効化、透明、圧倒的巨体。しかし、操作性がかなり悪く、少しの風に流されてしまう。そして、自分からの攻撃は全く通じ無い。また、気化するときに一瞬、周りの熱を奪う。また、他の気体に混じる事ができる。

ーーーーーーーーーー


 そして、ジョウは突風に乗って学校に到着した。


「いや〜快適快適、学校まですぐについた!【解除】!」

 ジョウがそう唱えると次第に空気がぼやけてジョウの姿に戻った。

 そして、彼の眼の前にある学校が、[潜水者ダイバー専門 東京潜水中学・高等学校]。通称、東潜校だ。ここは、潜水者ダイバーを育成する専門の中高一貫校年間千人位の卒業生を輩出している大きな学校だ。


「Hey!ヤッホ〜だYOH! ジョウ。調子はどうYOH!」

「眠い!」


 ジョウの後ろから男が話しかけてきた。

このYOHYOH言っている男は地解良ちけら よう。チャラいが憎めないジョウの幼馴染だ。彼の魔法の能力は【Boomブーム】自分がだした音の波長を操って操作する能力だ。


「今日はYOH!お前の好きなYOH!潜水者ダイバー測定の日じゃないかYOH!もっと張りきれYOH!」

「別に好きってわけでもないけど。」


 今日は新学期初日、新学期初日には潜水者ダイバー測定なるものがある。それは、自分が生徒2人VS先生1人の対戦によって潜水者ダイバーへの適性をしらべる測定だ。なぜペアなのかというと、潜水者ダイバーは二人以上のチームで働くのがほとんどだからだ。評価内容としては先生との対戦で生徒2人がどれほど連携が取れているかで評価される。評価はS〜Dでに分別される。ちなみにジョウは前回、ようと組んだ、そして、評価はAだった。まあ、体育測定みたいなものである。


「だって、先生バチクソ強いから、勝てるわけねぇもん。」

「HeyYOH!先生に勝ったら正確な実力が測れないYOH!模試と一緒だYOH!」

「たしかにそうか。まあ、模試と一緒なら、俺は満点を取る心意気でいくぜ。」

「俺もだYOH!」


 そして、俺らは体育館に行き、校長先生と教頭の長話を聞き、教室に行って体操着に着替え、校庭に行った。(ダイジェスト)

 そして、担任の先生がアナウンスをする。


「はい!ではこれから潜水者ダイバー測定を始めます!では最初のペア[岡根おかね 溜多ためため君&著築ちょちく 参在さんざい君]前に出て下さい。」


 こうして、潜水者ダイバー測定がはじまった。こう言っちゃなんだが、潜水者ダイバー測定は運も関係する。なぜなら、対戦相手である試験官はくじ引きで選出されるからだ。なぜくじ引きかというと、ダンジョンの中でどのような相手と遭遇しても冷静に対処するようにするためらしい。


「「グハァ!ゴベ!アベシ!ギョエ!」」

「皆やられてるYOH!」

「大丈夫だ。よう、あれは試験官と生徒の相性が悪かっただけだ。………多分。」


 こうして、次々と生徒達は先生と戦ってボコされていった。そして遂に、ジョウ達の出番がやってきた。


「えー、次のペア[水氷すいひょう 蒸最じょうさい君&地解良ちけら  陽よう君]前へ。


「HeyYOH!呼ばれたぜ!」

「あ〜緊張で腹が痛い。」


 前回、ジョウ達がAだったのはぶっちゃけ先生とジョウの魔法の相性が良かったからだ。ジョウと相性がいい魔法はシンプルな肉体強化形で相性が悪いのは超能力とか、サイコキネシスの様な魔法だ。といっても、相性の良かった肉体強化形ですら少しだけ渡り合えるだけだった。相性の悪いサイコキネシス系になったら良くてもBって所だろう。


「えー、ではルールの説明をします。

 ➀リングの外に触れたら終了。

 ➁ペアのどちらかが戦闘不能になったら終了。

 ③

 以上です。」


 ジョウは対戦相手の先生の顔を見た。そして、ジョウ達は思わず顔を引きつらせた。その先生を前に見たことがあったからだ。


「HeyYOH!なんてハプニングだ!」

「ああ、まさか奴と戦うことになるとは………歳鼓さいこ 否弾ひたま。お前とは一生戦いたくなかった。」

「目上の人には敬語を使いなさい。殺しますよ。」


 歳鼓さいこ 否弾ひたま 二十五歳 女 独身 某宇宙の帝王の口調で話す。 。正直言って、相性最悪すぎる。


「なあどぉするYOH!ジョウ!」

「知るか!こんな女の皮を被った独身のバケモンに勝てるかよ!」

「それ以上行ったら、殺しますよ!」


 このバケモンと俺らが出会ったのは一年生の初日、初めての潜水者ダイバー試験を受けたときに、開始二十秒で俺達をリタイアさせた。このせいで、俺達はあの高笑いがトラウマになった。


よう、安心しろ。俺らはいかなる相手でも倒せるように六十ものプランを考えたじゃないか。

「っ! そうじゃないかYOH!こんなババァプラン三十一で完封だYOH!」

「あなた達は本当におバカさんのようですね。」


 こうして、ジョウの最強になるまでの物語は始まった。


次回 みずみずみずしい

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