彼女の戦闘は続く
春嵐
第1話
数年間、行方不明の女友達がいた。
ある日、急に戻ってきて。何もなかったみたいに、いつも私がやっているゲームにログインしてきて。まるで、昨日までそうしていたみたいに。私と遊び始めて。
距離感は、本当に。数年前と同じで。だから、本当に。何も考えずに。そのときは、嬉しいという気持ちだけだった。
それだけだったのに。
彼女は、ゲームが、えぐいほど上手くなっていた。数年前の段階では、彼女と私の腕は人生3回ぶんぐらいの差があったのに。なんかもう、ぜんぜん負ける。ほんとに。
「数年間ずっと戦ってたからね。そこら辺の化物には負けないよ」
そう言って、彼女はさびしそうに笑った。なんか、本当に。人生3回ぶんを経験したんじゃないかっていう、そういう、深みのあるさびしい笑いかただった。
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