無自覚に近づいて来る彼女に困っています!
御霊
田中はヒロインではない
「おはよ〜今日はいい天気だね〜」
「そうだな〜見事に雨が降っているな」
雨が降っているのにいい天気だと頭のおかしい発言をしているのは
「今日はちょっと寒いね〜くっついていい?」
「お、おういいぞ」
「ありがと〜えい!」
と佳奈は俺の腕に飛びついてきて木に止まるセミのようにがっしり俺の腕に止まっていた。かなり力を入れているようで跡が付きそうだ。
「なあ、重いんだが・・・」
「あーっ!!女の子に言っちゃいけないこと言ったー!!!」
「じゃあ全体重を俺の腕にかけるのはやめてほしいんだがちょっと痛い」
あと俺の理性が崩壊しそうだから。
「だってさ〜優斗がいいって言ったからさ〜?」
「そう言ったがは、恥ずかしいからちょっと離れてほしい・・・」
「あらあら〜おかわいいこと〜あなたはそんなに純粋だったかしら〜?ベッドの下にえっちぃ本を隠しているのは知ってるんだからね〜?題名は・・・」
「ストップ、ストォォォップ!!それ以上は言ってはいけない!!てかなんでお前がそんな事知ってるんだよ!?」
「優斗のお母様にちょっとね」
テヘッとした顔でそんなことを言う佳奈に恐怖が浮かんでくる。あとで母さんにしっかりと注意しておかないとな。帰ってからやることが決まった。
「そ、そんなことよりも離れろよ。他の人から見られているぞ」
「えーなんでー?別にいいじゃん」
良くない全く良くない。こんなに注目されてもなお佳奈はギュッと俺の腕にしがみついている。佳奈は足を動かさないので俺がズルズルと引きずっている。引きずっているので佳奈の靴が汚れているが見ぬフリした。
「ねえ汚れてるんだけど〜?抱っこして〜」
「やだよ自分であるけ」
「じゃあおんぶ」
「同じじゃねえか」
高校生で異性をおぶるのはかなり恥ずかしいし胸が当たるためセクハラになるかもしれない。警察の厄介にならないようにするため俺は断固拒否する。そんな彼女は無理やり背中に乗ってきた。
「よ〜し!学校までお願いしま〜す」
「はあ・・・仕方ないしっかり捕まってろよ」
「ひゅーひゅーかっこいい〜」
「棒読みだな」
彼女をおぶっていた感想としてはとても甘い香りがして理性が吹っ飛びそうになりましたがギリギリで耐えました。あと胸が当たっていたのかはよく分からなかったです。彼女がまない・・・
「失礼なこと考えてないかな〜?ん〜?」
「ひぇ・・・」
なんで心の声が聞こえているんだ、エスパーかよ。
ーーーーー
「今日もラブラブでしたね。童貞クソ野郎くん♡」
「ラブラブでもなんでもないだろあんなの。ただの召使いとしか思われてないぞ」
「ぶっ飛ばすぞ?」
「暴力反対!あとお前は変態!」
「そんな事考えるお前の頭をリセットしてやるからこっちに来い」
指をぽきぽき鳴らしながら片腕をさすっているコイツは
「そういえば今日は身体測定だったな」
「話をずらしたな。まあそうだな」
「ちょっと俺についてきてくれるか?佐藤よ」
「田中だ。やだよ俺死にたくない」
「そんなんだから童貞で変態なんだよ佐藤は」
「好きで童貞やってるわけじゃないわ!あと俺は佐藤じゃなくて田中だ!」
変態のところは修正しないんだなコイツは。まあ男はみんな
「なあいいだろ〜?見つかったら全部佐藤のせいにするからさ〜?おねが〜い佐藤くん」
「なんで俺のせいにするんだよ!?あと佐藤ちゃうわ!」
エセ関西人出やがったなエセ関西人警察が飛び出てくるぞ。お巡りさんあいつです。
「俺は絶対に行かないからな!」
「そんなこと言ってもいいのかな〜?このクラスには巨乳の子や美少女がたくさんいるのに君はそれでも行かないのかい?ん〜?」
「・・・い、行かないぞ!」
「間があったんだけど?」
「気の所為だ」
コイツ一回迷ったな・・・やれやれコイツはヘタレだな。ぷぷぷっ
「今バカにされた気がする。一発殴らせろ」
「理不尽」
そのあと俺は佐藤―――田中から逃げ回った。
あ と が き
どうも永菅御霊、旧すらいむもーりもりです。これは佐藤・・・じゃなくて田中がヒロインのラブコメではないのでご安心ください。ちゃんとヒロインは草丘なので田中派の人は立ち上がらないでください。ほらそこ!おすわり!
・・・失礼しました。もしよければこれからも読んでくださるととても嬉しいです。
それでは〜
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