吾が背子と呼びて招かく月影を含み領布なす雲を見ませと


背子せこと呼びて招かく月影つきかげふゝ領布ひれなす雲を見ませと



 土曜日の夕方、家人と共に、海が見える公園に出かけて夕涼み。

 ベンチに座り、僕はビール、家人はコーヒーを楽しんでいる。

 日が沈んだ西の空は棚引くような雲が夕焼けに染まり、薄墨の闇が次第に深まり行く中で刻一刻と色を変えて行く。

 取るに足りない会話を交しつつ、その空の変化の様子を二人眺めている。

 月は朧の雲の向うに僅かながらにその影が認められる。

 今宵の月齢は五・九、関東地方において、南中は十六時過ぎ、深夜二十三時過ぎに月没となるらしい。




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