鳥は電車に轢かれない
莉夜
×
ホームの黄色い線を飛び越えそのまま道があるかのように進んでいく。
あ、落ちた、
雀がホームから線路の方へ落ちた。
でも平気そうにしている。私たちの世界だよって歩いている。
私もそのまま線路に引き込まれそうになった。
でも線路に入ったら電車が止まっちゃう。
だって駅は私たちの世界だから。
空を見上げるとオレンジ色の空に黒い影の鳥が飛んだ。
もう一回線路を見ると鳥は案外沢山いた
鳥は電車に轢かれない。
鳥は物事に怯えない。
鳥は免られる。
私はいったいどうだろうか。
人間関係という黄色い線が沢山張り巡らされ、教室というホームから落ちることに怯えなかっただろうか。
私は社会という電車に轢かれた
ある1人の女の子に惹かれて
そこらへんに飛んでいる鳥がオスかメスかなんてどうでもいい。
でもニンゲンにはどうでも良くなかったようだ。
惹かれるのは自然でも悪意があって私は轢かれた
私がこうしていま本当の駅のホームから線路に飛び降りようとしているのは
社会に適合できなかったからだろうか。
愛を否定されたからだろうか。
鳥に魅かれたからだろうか。
鳥は電車に轢かれない 莉夜 @riya_
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます