ダンジョン配信者の私、バズる~超難関ダンジョンだと知らず、初級ダンジョンだと思ってクリアしてしまいました~
てるゆーぬ@キャンピングカー4巻発売中!
第1章1話:ダンジョン配信
18歳。
髪は黒のセミロング。
目は赤いルビーの瞳。
ルミは、つい先日、大学生になったばかりであった。
1回生の女子大生。
入学式を終えたのが、3日前のこと。
今日は土曜日である。
休日だ。
この日、ルミはダンジョン配信を行おうとしていた。
この世界には【ダンジョン】が無数に存在する。
ダンジョンは世界に突如として出現する。
ダンジョンには魔物が存在する。
ダンジョンの
そしてダンジョンにはたくさんのアイテムや宝箱が落ちている。
ダンジョンは放置していると、魔物が地上に
だから継続的に魔物を討伐しなければならない。
それを行うのが【
探索者は、人類を魔物から守るため、ダンジョン攻略を行う。
あるいは、ダンジョンに落ちている宝や素材を手に入れるため、攻略を
ダンジョンに臨む目的は、人それぞれだ。
ただし、ダンジョンの魔物から治安を守ることは、どんな国においても大きな課題。
ゆえに世界中の国々が、ダンジョン探索者の育成や支援に力を注いでいる。
特に近年では【ダンジョン
ダンジョン配信者とは、ダンジョン攻略を動画サイトで配信する探索者のことだ。
ルミも、ダンジョン配信を始めようとしていた。
目的は、大学生活において、バイトに代わる収入源が欲しかったからだ。
――――ルミは
戦闘の
だったらアルバイトをしなくても、ダンジョン配信で稼げるのでは? と思ったのだ。
ダンジョン配信は、再生回数に応じて報酬が入る。
ファンが増えれば
それで、まあ、月4~5万ぐらいの収入は得られるのではないか、と考えた。
最悪、配信で稼げなくてもドロップアイテムや素材を売って稼げるだろう。
実家と大学の、中ほどの位置にある【
その町の東に【
ルミは、そのダンジョンを攻略するために、電車で町までやってきた。
服装は、ブラウスにスカート、その上から
持ち物はアイテムバッグのみ。
このアイテムバッグは、
回復薬、
水、
食料、
武器、
……などなど、さまざまな道具を持ってきてある。
そのアイテムバッグをポーチのごとく巻きつけ、さっそく山に入る。
三時間ほど、山を探索する。
天気は晴れ。
季節は春であり、陽気な太陽が辺りを照らしている。
かなり山の奥までやってきた。
草と土と森ばかりが視界を埋め尽くしている。
そのとき、切り立った小さな崖の根元に、
横穴の奥には厳粛そうな石の扉が存在している。
……間違いない。
ダンジョンの入り口だ。
「ここが
こんな
周囲には誰もいない。
初心者向けと聞いたけど、結構、
携帯で、配信サイトの【グランチューブ】にアクセス。
そしてグランチューブと飛行カメラを無線で接続させた。
この無線は、ダンジョン内部でも通信ができるようにする特殊な無線である。
……よし。
あとは携帯から配信開始のボタンを押せばいいだけだ。
おっと、その前に。
装備を身につけておかないとね。
まず、アイテムバッグから剣を取り出す。
アイテムバッグからアイテムや武器を取り出すときは、アイテムの名前を頭の中で唱えるだけでいい。
もし名前を忘れてしまったときは【アイテムオープン】と唱え、アイテムウインドウを開けば確認できる。
今回は、ルミの
それだけで、彼女の手には
とりあえず、その剣を
さて、次だ。
「
そうぽつりとつぶやく。
顔出しは、なんというか、恥ずかしい。
というわけで、あらかじめ用意していた仮面をアイテムバッグから取り出した。
顔面に装着。
さらに、セミロングの髪をくくり、ポニーテールに変えた。
剣を扱うときは、このように髪を結い上げるのが彼女の流儀だ。
……よし、準備完了だ。
あとは、配信をスタートすればいいだけ。
チャンネル名は【ルミちゃんねる】。
チャンネル登録数はもちろんゼロ。
「配信、開始……!」
これから、登録者が増えていくといいな。
そう思いながら、配信の開始ボタンを押した。
だがルミは知らなかった。
初心者向けとされる【
彼女が発見した山奥のダンジョンは、誰も攻略したことがない
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