ふたりの約束

S

ふたりの約束(お兄ちゃんの僕)

乳飲児の柔肌に触れ泣く父の隣でわらうお兄ちゃんの僕


夕飯に間に合わず父ひとり飯サラリーマンってつらいんだろな


かけっこお遊戯お手伝い子どもの僕もあゝ忙しや


おとうとの泣いてる理由知ってても言えない僕はお兄ちゃんだから


父眠れずに磨き抜かれたランドセル僕の背中がほらピッカピカ


ボール蹴りどこまでか飛ぶか競走だ手加減無用僕は天才


初めての先輩できて下積みの苦労を知ると優しくなれる


赤紙の報せの意味は分かってる父さん母さん心配ないよ


国のため命かけるは尊いときみも歌えど戸惑いは消えぬ


いつかまた俺とお前は兄弟で生まれてこようふたりの約束

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