自殺したらブラックな職場に転生した件

猫カイト

第1話 自殺したらブラックな職場に送られた件。

俺は自殺しようとしていた。

自殺の理由は人生に絶望したと言うよくある理由だ。

もっと面白い理由ならよかったとつくづく思う。

色々な死にかたがあるが俺はオーソドックスな首吊りを選んだ。

「良い景色だ。」

俺は自分ながら最高の死に場所を選んだと思った。

最後にみる景色が自然の中で鳥の鳴き声も聞こえるここで死ねば動物達が俺の死骸を食べ栄養としてくれるだろう。

「さよなら糞みたいな人生。ようこそ来世。」

俺は最後にその言葉を言い残し、首をくくる。


「よくいる自殺者のですかー。価値は金貨一枚にもなりませんね。」

どこからか声が聞こえる。

その声は冷たくどこか事務的だった。

死神だろうか。

金貨一枚、確かに俺は何も成さず命を捨てた妥当だろう。

「まぁ、質より量ですからね。ではいってらっしゃいあなたが望んだ来世へ 」

自分の眼前に扉が現れ引きずり込まれる。

これが来世への扉なのだろうか。

無理やり引き込まれずとも自分でいくのに。

そう思いながら俺はエレベーターに乗ったような気分で待つ。

来世が前世よりましなことを願いながら。


「...起... 起きろや新人!」

来世の第一声はおっさんの大声だった。

最悪の気分だ。

神様ももう少し目覚める場所を選んでくれても良いのに。

「起きたか、なら自己紹介やな!わしはこのNEVER第135支部の支部長の竜崎や!ようこそ地獄へ! 」


そうここから俺の地獄での日常がはじまった。

確かに転生を望んだが俺はこんな地獄を望んでいなかった。

神様は意地悪だと再認識する。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る