憧れの人
金沢華
第1話
羨ましかった。
私の周りを取り巻く全ての人間が、羨ましくて、妬ましかった。
愛嬌のある者、誰からも好かれる天性の才能、溢れ出る育ちの良さ、新しい環境に対する適合力、そのどれも私にはなかった。
あると言えば少し優れた容姿、ただそれだけ。
あぁ、眠くなってきた。
薬が効いて来きたんだろうか。
眠りに落ちるその瞬間、毎日思うことがある。
このまま目覚めなければ良いのに、と。
目覚めた時の言い表せない不快感。
変わり映えのない日常、何も成し遂げられないだろうという絶望感、誰にも必要とされていないだろうという寂しさ。
私には何もない。
そんなある日、ふと思った。
どうせ何もないなら、誰かを殺してみようと。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます