315_メモ帳を折る

部屋の整理をしていた時、当時勤めていた職場のメモを見つけた


最初は綺麗な字で、色ペンなんか使って、後から見返せるようにして

これから頑張るんだって意気込んでいるのが今でも分かるくらいに


中盤からところどころ殴り書きのようになって、黒一色になって

なんとか食らいついていこうって気迫が今でも分かるくらいに


終盤は文字が読めないし、空白が多すぎて、無駄遣いばかりして

何をしていたんだろうかって空虚が今でも分かるくらいに


ふと、子供の頃に折り紙で手裏剣を折っていた事を思い出した

辛うじて長方形を保っているメモ用紙を正方形に切り取る

これで折り紙として機能できる

これをさらに半分に切り取ると、紙が一枚で手裏剣が折れる

当時はこの方法で人よりも倍作っていた気がする


メモ帳を折る

綺麗に引いた色ペンがうまい具合に手裏剣を明るくしてくれる


メモ帳を折る

まるで外国の新聞を使ったように手裏剣をかっこよくしてくれる


メモ帳を折る

真っ白なおかげで折り目が分かりやすく手裏剣が綺麗になる



もう思い出したくない、もう捨てたいメモ帳

時には役に立つもんだと、そう自分に何度も言い聞かせる

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