314_かき揚げ蕎麦

内装が綺麗になっていた

店主がまた若くなっていた

券売機がタッチパネルになっていた


それでも何年も変わらない

かき揚げ蕎麦が提供される


あの木製の椅子は何処へ

あのおじいさんは何処へ

ボタンを探す時間は何処へ


それでも何年も変わらない

かき揚げ蕎麦が提供される



この脂っこさ

昔は汁まで飲み干していた気がする



残してしまった汁に混ざる残ったかき揚げの残骸

そのまま返却口へ運んでなかったことにする


また一つ

何かを無くしてしまった気分になる

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