306_寒い季節のせい

潰した蚊がまだ網戸に張り付いてら

何度も冷えた雨と風があっただろうに

お前の仲間なんてもういないんだ

早く目の前から消えてくれ



枯れた向日葵がまだ高く聳え立ってら

種はカビて発芽なんてしないだろうに

お前の未来なんてもういないんだ

早く目の前から消えてくれ



衰えたお前がまだ生きたいと叫んでら

冷えてカビて魅力なんてないだろうに

お前の代わりなんてもういないんだ



「寒くなってきてら」

「白湯でもどうだ」

「またやればいいさ」



早く目の前から消し去りたい

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る