細胞

細胞

幾兆の細胞の人生預かってヤワな体が心もとない

かわいそうな人生だったと思わないであなたが娘で幸せだった

悲しみの奥の奥まで行った人見た人だけの目をしてるから

終活とう言葉は寒し最後ぐらいとっ散らかって死んで行きたい

言の葉をつるつるつむいでところてん酢醤油辛子がぴりりと効いて

かわいげってそんなに大事なものですかかわいげのない女でいたい

人生は一瞬だったとうそぶいてレモンケーキは昭和の香り

チョコレートたっぷりかかったドーナツのサクサクほろり　恋をしている

二十歳には二十歳の言葉　三十路には三十路の言葉　その都度詠んでくれば良かった

今日は何が安いですかとチラシ見るわたしハンター真剣勝負

通販で緑のシャツを買う夕べ大人のチャレンジ気分も上がる

蒸し暑さ歩くだけでも閉口すしゅうまいの気持ち想像してる

宅配のペットボトルは重いから配達員に遠慮している

人はみな出会い方それにタイミング運と縁バランスも大事

寄り添って歩くつもりが自立し過ぎ　たまに振り向きいるなと確認

駅前のケーキ屋閉店するなんていちごのタルト難民になる

あんみつはおやつの王様つぶあんと求肥とみかんとソフトクリーム

メロンパンはお寿司の卵その店の特徴シンプルに表してる

休みたい泡で出てくるハンドソープ泡に包まれうたた寝したい

あなたさえよければ私いつだってまた恋をする準備している