〜人類滅亡会議〜

しまリス

第1話 第一回人類滅亡会議 Scene1

【進退両難】


もうどうにもならない様。

進もうが戻ろうが一筋縄ではいかない状況。





これは、神々がこの世の行く末を審議し決定する会議【神議会(しんぎかい)】が行なわれる会議室。

そのお部屋番こと、わたくし稲荷春姫ノ尊(イナリハルヒメノミコト)の会議事録である。

ちなみに皆には、春姫(はるひめ)と言われています。


日本に数々ある、稲荷神社。

その一旦を担う女神(にょしん)としての顔もあるが、ここでの紹介は一旦割愛させて頂こうと思います。



まあ、八百万(やおよろず)の神の中でも無名でマイナーな神と認識して間違いは無いでしょう。




さて、私の仕事は会議室の管理はもちろんのこと、会議に出席される神々のアシスタントを行い審議の進行をスムーズにする補助的な役目もあります。

そして、この会議室で行なわれる全てを記録する。



会議室の最高責任者になります。ゆえにお部屋番。


この室内においては、恐れ多いが名高い大神(たいしん)と同等の発言権も有しております。


いわば、御意見番でもある。




本日、日本時間。

お日様がもっとも高く上がる時(ざっくり)。


一つの会議が開かれようとしていた。


本日の議題。

【人類滅亡について考える会議】


長いので略して【人類滅亡会議】が開かれようとしていた。



円卓を囲むは、3人の女神(にょしん)。




「それでは、人類滅亡会議を始めます。」

議長を務めるのは、日本の最高神にして太陽の神であられる、天照大御神(あまてらすおおみかみ)様こと、通称【あまちゃん】。





「おーおーおー。やれやれー!」

ひゅ、ヒュー、ーーイ。ひゅ、ヒューーーイ。

まるでガヤの様に不出来な指笛を鳴らすのは、芸能・祭りの神であられる、天鈿女命(あまのうずめのみこと)様

こと、通称【づめ子】。



 


「アタシ予定ある、四時には帰るから。早くやろう。」

クールにひと言。

月の神であられるは、月読尊(つくよみのみこと)様こと、通称【ツクヨミ】。





以上の3名の大神と、わたくしお部屋番のイナリの計4名で【第一回人類滅亡会議】がスタートします。







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