自動文章作成
ぴろわんこ
第1話
文章作成のAIがさらに進化して、全てのスマホ、パソコンに搭載されることになった。と言ってそれだと、誰もが紋切り型の名文ばかりを書いてしまうから、その人の知能及び文章力をAIが察して文章を書くようになった。ベースとなる言葉や形式を入力するだけでよくなったのだ。
これは芸能人やスポーツ選手などの、著名な人たちには喜ばしいことであった。そういう人たちは従来だとゴーストライターを使って書くことがほとんどだったが、使わなくてよくなった。今までのような印税の取り分をどうするかとか、録音とか、打ち合わせとかの煩わしさから解放された。
ビジネスマンにとっても有益だった。ビジネス的な書類とか手紙などはAIが片付けてくれるので、他の仕事が捗るようになった。
素人の作家にも嬉しいことであった。今までは時間がないとか、文章力に自信がないとか、アイデアが思いつかないなどの理由で小説やエッセイなどの作成を諦めていた人たちも、手軽に作品を仕上げられるようになったからだ。
しかし出版社や小説掲載サイトからすれば、どんどん作品が送られてくるようになったから悩ましいことであった。ネームバリューのある人の作品だったら多少下手でも、売れるのが見込めるからまだいい。
だが猫も杓子も作家気取りで作品を送ってくるので、編集者やサイトの運営者の読むのが全然追いつかなくなるのだ。しかも面白い作品というならともかく、その人の能力を反映した作品しかAIは書かないため、あまり努力をしてない大した才能もない人の書く作品が面白いはずもなかった。
だがそういう人は自惚れも強いのか、名作が書けたと思い込んで得意気に送ってくるのだ。
対抗策として出版社と小説掲載サイトは、作品見極めAIを導入した。AIが一発で名作か駄作か見極めて、駄作の場合ゴミ箱行きかサイトから削除といった処置がとられた。
AIのお陰で大幅な時間短縮と、ストレスの軽減に成功した。
自動文章作成 ぴろわんこ @pirobigdog
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