世界線/甲斐康平
甲斐康平
世界線
ボサボサの髪で駆けこむ朝九時の講義が消えた世界線にて
分岐点どこだったのか考えてコーヒーのせい眠気が覚めた
「生きろよ」の肯定よりも「死ぬなよ」の否定を期待していた深夜
生きづらさ感じる人は多いのに生きやすいとは誰も感じぬ
「愛して」は誰かに僕の存在を認めて欲しい心の叫び
人生にアンチコメントしてるから僕のつぶやき読んでください
現実を既読無視して生きてやる返信なんてしてやるものか
機関銃バババンと撃つ さて次はアイツを仮想敵にしようか
ブラインドタッチをしてる僕の指まるで機械の触手のようで
深爪を見つつピンクの表面を削って、はみ出し者の孤独よ
純白の翼が落ちてから僕は空の高さを知らないままで
この人生フラグ回収してなくて続きの街へ行けぬ憂鬱
コンタクトレンズをはめて解像度あがった地平線の果て見た
このセカイ球体だから果てがなく時はゆっくり過ぎていくだけ
いつまでも少年であれ ヒーローになれなくなったのはいつからか
コンビニのジャンプの表紙を見て僕の人生まだまだ続くと知った
「何もない」そう思ってたはずなのに視界が明るくなった瞬間
消しゴムを使い終わった瞬間を知らない いつもどこかで消える
探してた物ではないが、忘れてた記憶のUSBを拾って
そよ風が僕の心を揺らしてさ良いこと起こる予感した朝
世界線/甲斐康平 甲斐康平 @240140
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