和音の鬱憤妄想日記⑱

 少しムカついてしまいましたが、今は我慢です。


「七緒、明日はお願いしますね」


「あいあいさ~。ご機嫌な朝食セットを和音でも作れるようにサポートします」


 兄さんが風呂に行ってる間にメールを送ると何故かすごい速度で来てくれました。


 そして、笑顔で了承し冷蔵庫のプリンを食べ始めたので私は止めることができないかったのです。


 まさか兄さんが、あんないちゃいちゃを目論んでいたなんて……。


 そして、無意識に七緒とそれを繰り広げるなんて、少しモヤモヤです。


「七緒は兄さんの事が好きなんだよね?」


「はい、好きですよ」


 まっすぐに私を見て、まじめに答えてくれました。


「……」


 私はその純粋な目に何も言えなくなってしまいます。


「でも、和音の事も好きなので私は和音を悲しませることはしませんよ~」


 そう言いながらギュッと背中から抱きしめてくれました。


「いつもありがとうございます」


 七緒の手を掴んで、小さな声でお礼を伝えます。


 こんな私と友達になってくれて感謝しかありません。


「別に、何もしてないよ。それより今日は早く歯を磨いて、寝ちゃいますよ~。明日は早いんですから」


 七緒は私の手を引っ張って、先導してくれます。


 私も大好きだよ、七緒。


 私の閉じこもった世界を壊してくれてありがとう。


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