「しい君、はい」

「なに？」

「本物の花。見たがっていたでしょう」

「うん」

「君が正式に騎士になれば本物の花畑だって見られるけど、まだまだ先の話だから」

「そうなの？」

「最強のカレッサ、糸斧（しふ）カルメと装主ブロンテ様がまた勝利されたって。初陣から二十年以上無敗のエオトニアの英雄様の引退はまだ先でしょ」

「すごいんだ。キュレネラ、花を近くで見てもいい？」

「触ったらバラバラになっちゃうから見るだけね」

「キュレネラは怖くないの？」

「お仕事だし、注意していればなんともないでしょ。かわいいダンプカーみたいなもの」

「たぶん僕、ダンプカーより強いよ」

「ふふっ、そうですね。未来の騎士様」

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