神をも凌駕する禁術使いのセカンドワールド〜人類最強の神殺し、500年後の世界で再び神々と相見える〜
あおぞら@書籍9月3日発売
第1章 禁術使いの再臨
第1話 禁術使い、転生する
とある世界の最果て。
俺———アレス・コールディナルは無様に地面に片膝をついていた。
既に魔力は雀の涙程も残っておらず、もはや初級魔術でさえ発動できない。
更に身体も既にボロボロで、今目の前にいる奴らを睨むので精一杯な状態だ。
そんな俺へと見下すような視線を向ける者達がいた。
「ははははははは!! やっと捕まえた!! 僕のおもちゃを壊したお前を! 今日は神生で1番嬉しい日だ!!」
少年の姿をした主神の1柱———遊戯の神———が、その可愛らしい顔に似合わない、狂気的な笑みを浮かべて嬉しそうに笑う。
どうやら俺に相当鬱憤が溜まっていたようだ。
そしてそれは奴だけでなく———
「我らに歯向かう者には一律殺処分しなければないらない!! 今後そのような輩が現れないようにするためにも!!」
「賛成ですよ〜〜コイツの顔は2度と見たくないです〜〜」
「……俺は何方でもいい。もう奴に俺達を妨害する手段は残されていないからな」
最初から、戦闘の神、愛の女神が俺を殺すことに賛成の意を示し、闇の神が心底どうでも良さそうに俺を一瞥することなく意見を述べる。
しかし、闇の神から少し不機嫌なオーラが出ているので、内心では俺のことを心底殺したいと思っているのだろう。
「———アレス・コールディナル……20年間の間、よくも私達を邪魔してくれましたね。ですが……貴方は此処で終わりです」
まるでこの世の者とは思えないほどの美しさを持った女性が、俺の首に神の極光で創られた剣が添える。
彼女はこの世界の主神———光の女神———であり、俺達地上種族の共通にして最強の敵の1柱だ。
俺達人間と獣人や魔族にエルフ族にドワーフ族などが棲むこの世界は、現在この世界を創造した神々達自らの手によって、成長のない停滞した世界に変えられようとしていた。
もっと簡単に言えば、俺達の自由や意志を全て奪い、自分たちの好きな様に世界を動かそうとしている、ということだ。
そんな神の企みにいち早く気付いた俺は、世界中を旅して、神々を殺すための《禁魔術》を習得しながら仲間を集めていった。
幸いなことに俺は魔術師として天賦の才を持っていた様だ。
そのお陰で《禁魔術》———今後は《禁術》と呼ぶ———も全て習得できたし、それを仲間に教えることも出来た。
こうして着々と仲間と禁術のレパートリーを増やしながら、20年間死物狂いで戦った。
しかし———1人の仲間の裏切りにより罠に嵌められ、主神達との全面戦争を余儀なくされた。
正直いつか戦いは避けられないと覚悟は決めていたが———流石にまだ早かったらしい。
主神達は俺が思っていた以上に強く、下級神や中級神、龍王や精霊王などにも十全に効いていた禁術も効果が薄かった。
しかし俺には無限に等しい膨大な魔力があったので何とかなったが、他の仲間はそうは行かず、僅か1日戦っただけで俺以外の全員が殺され、俺も重症を負うこととなってしまった。
「ぐっ……」
俺は吐血しながら自分の体から流れる大量の血を眺める。
全て俺のせいか……。
あの時、裏切り者を少しでも疑っていたら。
俺がもっと早く禁術を完成させていたら。
いや……そもそもの話、俺が仲間なんて作らず一人で戦っていれば———。
「———それではさようなら」
俺を中心に天にも昇る光の柱が展開され、俺を消滅させていく。
そんな中で俺は、懐から1つの禁術が込められた賢者の石と呼ばれるアイテムを取り出し———
「……俺は絶対に諦めはしない。———リトライだ」
禁術の中でも特に不確定要素の多い、【転生】を発動させた。
「———エルメス様! 元気な男の子がお生まれになりました!」
「あぁ……私の可愛いアレス……」
「———オギャーオギャーオギャー!(やっぱりミスったか……3歳くらいに転生した筈なんだけどな……)」
俺が再び目を覚ますと……そこには銀髪の綺麗な髪の美しい女性と、メイド服に身を包んだ黒髪の女性が目の前にいた。
更に自分の声が鳴き声しか出ないことから、自分が産まれたばかりの赤ちゃんに転生したのだと分かる。
「……オギャーオギャーオギャー!(……計画は狂ったが……この年から出来ることを始めるか)」
俺はそう決めたが……取り敢えずとても眠たいので一先ず寝ることにした。
「エルメス様! アレス様は将来大変お強いお方になられるかもしれませんね!」
「ふふっ、勿論よ。だってアランの子供だもの! だから———
———
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全然流行とは違うんですけど、普通に書きたかったんで書きました。
一応書き溜めが20話あるので毎日投稿します!
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