花に踏まれて
絹乃
花に踏まれて
我は
はつなつの給水塔はひんやりと てっぺん目指す蝶よグロリア
影のない人になりたい夏至正午 まだいたのかよ影薄いよな
テスト後のゴミ箱のなか我がコピー ガリガリくんの青にじんでる
好きですと言いかけた口ぴたり止め タコかよお前気持ち悪いな
雨粒にえぐれしまなこ見開きて海より出たし み空は遠し
可愛げがあればと壁に頭突きしてあふれよ満ちよカーマンラインに
殴られてバカみたいねと草生やし大草原に夏風わたる
好きなのか執着なのか雨はただ花のことばで降り続くだけ
檸檬ゼリィふるると割って蜜たれる あなたを踏んで踏みにじりたい
さぁお行き北極点へ白夜へと かかとから散る小赤金魚よ
南中し棕櫚の葉の影濃くなれど我が足もとに影はもうなし
あした咲くつぼみを裂けば朝顔のなかの冷たさあなたに似てる
水たまり油の虹が靴に
ででぽぽとかわいい声ね弔いの名も知らぬまま見送り一羽
雲が湧くまた十錠で雲が散る この目に映るすべてあおぞら
烏賊ですら一億年でオパアルにわたしのかけら遊色ともせ
花が散り 散りすぎているうすべにの眼窩のたんぽぽ綿毛をとばす
花に踏まれて 絹乃 @usagico
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